女優・指原の魅力は「女優じゃないところ」!福田雄一監督が語る
テレビドラマ「ミューズの鏡」(2012)でタッグを組んで以来、「コドモ警察」「メグたんって魔法つかえるの?」「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」「天魔さんがゆく」や映画『俺はまだ本気出してないだけ』など売れっ子クリエイター福田雄一作品の常連となったアイドルグループHKT48の指原莉乃。タッグ最新作『薔薇色のブー子』の公開を控え、福田監督が“女優・指原莉乃”の魅力を語った。
指原が白目で地べたに…映画『薔薇色のブー子』フォトギャラリー
福田監督は、初タッグ作「ミューズの鏡」、それに続く『劇場版 ミューズの鏡マイプリティドール』での指原について、「『女優やりたくない』とか『女優苦手です』とか言っている割には、毎週やっているからそれなりに板についてくるわけじゃないですか」と切り出すと、「だけど1か月くらい間が空いた瞬間にもうド下手に!(笑)ド素人さんになって帰ってきましたよ(笑)」と暴露。「『演技をしよう、しよう』という方向で考えているかというと考えていないんで。全部リセットですよ。ある程度一緒にやって、次、何かのドラマでゲストに呼ぶ時は一切、蓄積がないという状態」と打ち明ける。
しかし指原の女優としての魅力を「女優じゃないところ」「イジればイジるほど面白くなる」と語る福田監督は、そんな指原だからこそ何度も作品に招きたくなるという。「その感じが好きなんだと思うんです。グイグイうまくなっていて今は立派な女優さんだったら、たぶん今頃一緒に映画はやっていないでしょうね。やりたくないって言っているアイツが面白いんだと思うんです、きっと」と福田ワールドの笑いと指原の存在が絶妙な案配でかみ合うことをうかがわせた。
『劇場版 ミューズの鏡マイプリティドール』は連ドラの延長というスタンスだっただけに、今回の『薔薇色のブー子』が指原にとって実質的な“映画初主演”といってもいい。福田監督は、指原が女優業へのモチベーションはないと言いつつも「今回、主演女優としての自覚を持ってすごく頑張って立ち回ってくれている感じがひしひしと伝わってきた」と目を細める。「これまでは朝一のシーンなんか別人みたいに顔パンパンで、午後くらいになると何となく腫れが引いてきて、夕方くらいに“指原マジックアワー”って2時間くらいかわいい時間があって、その2時間過ぎるとまたどんどんブサイクになっていく“指原の顔サイクル”っていうのがあったんですが、それが今回なかったんですよ。朝一のシーンからちゃんと顔が出来ていて。だから『朝一からかわいいじゃん』って結構何回も言いましたよ。『ちゃんと夜帰ったらお風呂に長時間つかるようにしているんです』って言っていました(笑)」。
また、待ち時間には積極的にスタッフと会話して現場を盛り上げ、セリフに関しては「たかだかアイドルのわたしが役者さんに迷惑掛けるわけにはいかない」といつも完璧に覚えてきて絶対に忘れることはなかったとのこと。そんな指原をスタッフもキャストも好きになり、福田監督は「総合的にさっしーのおかげでいろんないい効果が生まれたと思いますね」と振り返っている。その言葉通り、福田監督演出の下、スタッフ・キャストの後押しを受けた“女優・指原”はスクリーンでこれまでにない輝きを放っている。(編集部・市川遥)
映画『薔薇色のブー子』は5月30日より全国公開