主演レイフ・ファインズとトニー・レヴォロリが語る『グランド・ブダペスト・ホテル』の魅力
ウェス・アンダーソン監督の待望の新作『グランド・ブダペスト・ホテル』について、主演レイフ・ファインズとトニー・レヴォロリが語った。
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同作は、一流ホテル、グランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジュ、グスタヴ(レイフ・ファインズ)は、常連客マダムD(ティルダ・スウィントン)と関係を持ったが、ある日彼女の殺人事件と遺産争いに巻き込まれ、自らの誇りとホテルの威信を守るため、彼を慕うベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と共に奔走するというもの。ビル・マーレイ、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、エドワード・ノートンなど豪華な顔ぶれがそろった。
グスタヴという役柄についてレイフは「彼は虚栄心を持ち、かなり気難しい性格で、異常なほどに匂いを気にしていて、そんな彼にはゼロのような忠実な人物が必要なんだ。演じるうえでは、通常僕は舞台や映画は自分のイメージから役柄を作り上げるが、今作ではウェス監督の友人がモデル的な存在となった」と明かした。
衣装、ヘアスタイル、ひげについてレイフは「正しい衣装にそろえるのが難しかった。ウェス監督は実際のホテルユニフォームをいろいろ調べていた。ユニフォームはわりと厚めで、ちゃんと着こなせなければいけない。でも、一度ウェス監督が選んだユニフォームを着用し、ヘアスタイルを整えると、ちゃんとしたホテル従業員になっていた。さらにウェス監督はひげが大好きで、僕は1930年代の人たちの写真を見ながら、上唇にひげがかかる程度の長さに毎日切っていた。そんな下準備からグスタヴを仕上げていった」と自信をのぞかせた。
豪華なキャストの共演についてトニーは「今作で多くのことを学んだ。具体的には言えないが、さまざまな体験をさせてもらって無意識のうちに学んでいた。特に彼らの役柄へのアプローチを見て、それらが今後の自分の役柄にいかに役立つかと考えるだけでも、素晴らしかった。確かに、最初はキャスト陣に恐怖も感じたが、全ての俳優が僕が心地よく演技できる環境を作ってくれたため、余計なプレッシャーは感じず、無理に自分の許容範囲を超えようとも思わなかった」と、あくまで自己ベストの演技を追求したようだ。
映画は、レイフ演じるどこか憎めないグスタヴと、彼を慕って付いていくゼロの絶妙のコンビが、セットゼザインと共に秀逸な作品にさせた。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)