知られざる出版業界の裏側を女性編集者がぶっちゃけ!
出版社で働くアラサー女性編集者の主人公の生活を赤裸々に描いた『わたしのハワイの歩きかた』。実際、都内で働く編集者の仕事ぶりはどうなのか、女性編集者が知られざる出版業界の裏側を語った。
都内某所で行われた座談会に集まったのは、雑誌「JJ」(6月23日発売)、「ゼクシィ海外ウエディング完全ガイド」(発売中)、「steady.」(7月7日発売)でそれぞれ編集を担当する3名の女性。仕事でも私生活でもイライラを募らせる主人公みのり(榮倉奈々)について、「彼女の悩みには自分と似ている部分がある」「編集者の一面をデフォルメしているものの、共感できる部分はある」と似た感想を抱いたようだ。
朝から晩まで働きずくめの主人公だが、実際の編集者も勤務時間はとても長い。取材やグラビア撮影、デスクワークなどの全てをこなしていると、どうしても毎日の帰宅時間が夜遅くになってしまうのだ。締め切りの間際などは、明け方に仕事を終えてご飯を食べに……なんてことも珍しくないという。
ただ、本人たちは決してハードワークと感じていないようで「編集現場のペースというものがあるので、特に働き過ぎだとは思っていません」という声も。それよりも、グラビア撮影のスケジュール調整がつかない、写真の仕上がりがイメージと違うなどのストレスの方が大きいという。ライターやカメラマン、スタイリストなどのチームをまとめる立場である編集者。思い通りにいかないと、自分の至らなさに落ち込むという。
そんな息苦しい日常から脱出すべく、作中では取材に訪れたハワイでグルメや夜遊び、ついでに恋愛まで満喫する主人公。3人とも「さすがに現実にはありえない行動」と口をそろえるも、うらやましく感じる部分もあるとか。彼女たちの証言から察するに、みのりは女性編集者の理想と現実の両方を体現した存在なのかもしれない。(取材・文:なかざわひでゆき)
映画『わたしのハワイの歩きかた』は6月14日より全国公開