美しき筋肉に注目!ゾンビコミック映画化『Z』ヒロインに監督が太鼓判!
人気漫画家・相原コージによるゾンビ漫画を実写化した映画『Z~ゼット~ 果てなき希望』で主演を務める女優の川本まゆと、鶴田法男監督が本作の魅力について語った。
鶴田監督といえば、Jホラー盛隆の礎を築いた立役者の一人であるが、意外なことにゾンビ映画は初挑戦。「今までに何回か、ゾンビ映画を撮らないかというお話は頂いていたのですが、全てお断りしてきました。西洋の残酷なホラー映画に対するアンチテーゼとして、日本の怪談文化を再構築しようと思っていたからです」と語る監督だが、今回は、相原コージの原作に感銘を受け、翻意。「この漫画に含まれているメッセージは、今こそ作らないといけないもの。そう思ったら自分のポリシーなんか関係ない」との決意で、ゾンビ映画への挑戦を決めたという。
一方の川本は、チアリーダーがチェーンソーを手にゾンビと戦うテレビゲーム「LOLLIPOP CHAINSAW」(角川ゲームス)のイメージキャラクターを務めた経験を持ち、本作でゾンビと再共演。「まさかまたゾンビを倒すことになるとは思っていなかったのでビックリしました。今回は(チェーンソーではなく)薙刀(なぎなた)なのでアクションは苦労しましたけども、楽しかったです」と笑顔を見せる。
川本ふんする謎の少女・戸田は、アイパッチを着けた異様な風貌も特徴の一つ。鶴田監督からは、撮影に入る前、黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』、ジョン・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』などのDVDを参考資料として手渡されたという。その意図を鶴田監督は「薙刀を振り回すアクションというときに、三船敏郎さんを思い出したんです。あの映画ではやりでしたが、アクションとして参考にしてほしかった。それから『ニューヨーク1997』は、主人公スネーク・プリスキンがアイパッチをしているというのもそうなんですが、青野武さんによる吹き替え版での、声の出し方をまねてくれと言いました」と明かした。
さらに「(スネーク同様、)彼女にタンクトップを着てもらったら、しっかりと筋肉が見えてきたので狙い通り」と語る鶴田監督は、「とにかく彼女は立ち姿がかっこいい。やっぱり鍛えている人は違う」と川本を評価。「薙刀を構えた瞬間に、ミニスカートから見える太ももの筋肉がふわっと浮き上がった。それを見た瞬間に、この子しかいないと思った」とオーディションを振り返り、「20歳になったばかりの、川本まゆの肉体を映像に残すことができたことが本当に喜びですね」と満足げな表情をすると、川本も「試写で観たときに、自分が映っているとは思えなかった。でもかっこよく映してもらえて良かったです」と笑顔。
最後に鶴田監督は「実はこれ、川本さんには言わなかったんですが、原作を読んだときに、1954年版の『ゴジラ』と同じメッセージを持つ映画になると思ったんです。そう考えると、(平田昭彦ふんする)芹沢博士もアイパッチを付けている。そしてハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』も同じ時期に公開される。これは偶然なんですが、自分としては縁を感じています」とその思いを熱く語った。(取材・文:壬生智裕)
映画『Z~ゼット~ 果てなき希望』は7月26日よりシネマート六本木、シネマート新宿ほか全国順次公開