『GODZILLA ゴジラ』復活の立役者が語る製作の裏側!
16年ぶりに復活したハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』が、全世界で大ヒットを記録中だ。ゴジラをよみがえらせた立役者は、ハリウッドで今、最も注目を浴びている製作会社レジェンダリー・ピクチャーズの創始者でCEO(最高経営責任者)のトーマス・タル。ファイナンス業界からプロデューサーに転身し、『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』『マン・オブ・スティール』『パシフィック・リム』といった超大作から、『ハングオーバー!』や『300 <スリーハンドレッド>』シリーズ、伝記映画『42 ~世界を変えた男~』など、幅広いヒット作を連発する手腕は見事と言うしかない。子供のころから大のゴジラ好きだったタルにとって、今回の『GODZILLA ゴジラ』には特別な思いがあったという。
「『ゴジラ』を映画化するチャンスが来たとき、個人的にとても興奮させられた。僕らはまず、東宝と素晴らしい関係を築くことから始めた。でも一旦、僕らが考えているストーリーや方向性、ゴジラに対する敬意を理解したら、東宝は映画化の権利やクリエイティブ面での自由をくれた。本当にこれ以上ないほど満足の得られる経験だったよ」
製作中、ゴジラのイメージに関して、東宝と意見が食い違うこともなかったそうだ。「ゴジラのデザインについて彼らと話し合ったけど、それらは僕らがやりたいものと同じだった。僕はゴジラファンとして、自分でもルールを作っていた。ゴジラの特徴は、僕らにとっても最初からとても重要だった。口から吐く青い息や、雄叫びをちゃんとやるといったことはね」
低予算映画1本しか監督したことのない無名のギャレス・エドワーズを、制作費1億6,000万ドル(約160億円、1ドル100円計算)の超大作の監督に起用する上で不安はなかったのだろうか?
「ギャレスは、この作品の監督としては、確かにわかりやすい選択ではない。でも僕は、彼の映画や撮影の仕方に魅了されたんだ。それでまず彼に、いくつかプリビズ(撮影前にCGで映画のシーンを映像化すること)をやらせた。そのプリビズを観て、僕は自分の人生でこれ以上、確かなものを感じたことはなかった。そのときやった鉄橋のシーン、ハワイのシーン、飛行機から飛び出すシーンのプリビズが、そのまま映画の中で使われているよ」
今作は「ゴジラ」映画として初めての3D作品だ。3Dを選択するには「監督が、それが良いやり方だと思うのと、作品にとって3Dが適切だということがとても重要だ」とタルは語る。「それと『GODZILLA ゴジラ』では、観客が観たい方法を選択出来るというのが大事だった。だから2Dでも3Dでも観られるようにした。また僕たちはIMAXと素晴らしい関係を持っている。この映画をIMAXで観るのはとても楽しいと思う」
そして、「僕らは自分たちが好きな作品を作るだけ」というタル。マーケットリサーチなどに左右されないファンボーイとしての気持ちを大切にする映画作りが、レジェンダリーの成功につながっているのは明らかだ。(取材・文:細谷佳史)
映画『GODZILLA ゴジラ』は7月25日より2D / 3D(字幕スーパー版 / 日本語吹き替え版)公開