木村大作監督が涙…松山ケンイチ、蒼井優も感動!
14日、映画『春を背負って』初日舞台あいさつが、TOHOシネマズ日劇にて行われ、主演の松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司、檀ふみ、新井浩文、そして木村大作監督が登壇した。普段は陽気で明るい木村監督が、冒頭のあいさつで感極まり涙を見せると、蒼井は「この方について来てよかった」と目を真っ赤にして語り、松山も「真っすぐな人の気持は、真っすぐ心に刺さってくる」と素直な感情を口にしていた。
数々の名作映画のカメラマンを務めてきた木村監督。大声でしゃべり、歯に衣着せぬ物言いは多くの人を魅了してきたが、この日は最初のあいさつで「今日は僕にとって……」と言葉に詰まり涙。普段とは違う木村監督の様子に場内はざわめくが「前作(『劔岳 点の記』)より若い人が多いのはうれしいです」とやっとの思いで言葉を紡ぐ。それでも「前の方に4席ぐらい空いているのが気になるな」といつもの木村節を披露すると、場内は笑いに包まれた。
そんな木村監督の現場で苦楽を共にした松山は「普段あまり緊張しないタイプなのですが、(緊張して)腹を下しました。僕自身、挑戦だと思った作品。新しい自分が出ていると思うので、それがお客さんの目にどのように映っているのかを考えると緊張します」と胸の内を明かすと、蒼井も「わたしもあまり緊張する方ではないのですが、今日はとても緊張しています」と特別な作品であることを強調していた。
標高3,015メートルある富山県立山連峰での撮影。松山は合計5往復したというが「もう1回登りたいですよ。だって撮影楽しかったですもん」と平然と言うと、木村監督は「個人的にはもう山はいいかな」と苦笑いを浮かべつつも「この映画を多くの人が観てくれたら、もう1回登りたいけれど、コケたらもう登りません」と木村監督ならではの表現でヒット祈願をしていた。
本作は、笹本稜平の小説「春を背負って」を、映画『劔岳 点の記』の木村大作監督が映画化した人間物語。富山県立山連峰にある山小屋を舞台に繰り広げられる家族の絆や、人々の思いを描く。(磯部正和)
映画『春を背負って』は全国東宝系にて公開中