フランスの名女優が女子レスラーに!新鋭監督の社会派プロレス映画!
アメリカの人気プロレス団体WWEがリメイク権を獲得したことでも話題のフランス映画『ママはレスリング・クイーン』の試写会が17日、飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュで行われ、来日中のジャン=マルク・ルドニツキ監督が本作について語った。
ルドニツキ監督は上映後、主人公ローズ役のマリルー・ベリとコレット役のナタリー・バイが、劇中で実際に着用していたというコスチュームに身を包んだ2人の女性と登壇。「日本の皆さんの、おもてなしの心がとても温かくて、楽しく過ごしています。皆さんも(映画を観て)楽しいひとときを過ごしてもらえたでしょうか?」と会場に呼び掛けると、大きな拍手が。その様子に監督も満足げな顔を見せた。
スーパーのレジ係として働く4人のワケあり女性たちが、人生の再起をかけてプロレスに取り組む姿をユーモラスに描き出した本作。フランスを代表する世界的名女優ナタリー・バイを筆頭に、4人の実力派女優たちが女子プロレスのセクシーなコスチュームに身を包み、体当たりの演技を見せている。
このキャスティングについて「実力のある女優さんたちに、今までやったことがないような役をやってもらいたかった」と語るルドニツキ監督は、「たとえばナタリー・バイという女優さんは、今までドラマチックな役柄が多かった。コメディーに出たとしても、それは作家主義的な作品だったわけです。だから、レジ係がレスラーになるような作品を受け入れて、出演してくれたことには非常に心を動かされました」と笑顔。
さらに本作を、「『フル・モンティ』のような社会派コメディー作品のように仕上げられたらと思っていた」と切り出すと、「ケン・ローチやスティーヴン・フリアーズが手掛けるようなイギリス映画にインスパイアされています。階級の壁を乗り越えて、自分たちの殻を打ち破る。そういったテーマが好きなんです」とコメント。最後は観客に「女性同士が団結して、悩みから抜け出し、自分を解放する姿をこの映画を通して見せたかった」と呼び掛けた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ママはレスリング・クイーン』は7月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開