大泉洋、役づくりの“パーマヘア”に気付かれず嘆く
加納朋子の小説「ささら さや」を映画化した『TWILIGHT ささらさや』の撮影現場で、初共演にして夫婦役を務める新垣結衣と大泉洋が役衣装のまま取材に応じた。売れない落語家を演じる大泉は役づくりの一環としてさらに髪を巻いた上にパーマのかかった付け毛を着けて通常の1.5倍ぐらいの頭になっていたが、今年4月のクランクイン報告で各局に出演した際には誰一人そのことに触れてくれなかったそうで、「世間の人にはあんまり変わって見えていないんだろうなと。“いつもこんな頭”と思われているんだろうと思うと悲しかったです(笑)」と嘆いた。
身寄りのないサヤ(新垣)と生まれたばかりの息子を、突然の事故で亡くなったサヤの夫・ユウタロウ(大泉)が周囲の人の体を借りて助けていく姿をおかしくも切なく描いた本作。メガホンを取る深川栄洋監督(『神様のカルテ』)から「かっこいい大泉さんは一つも要らない」と言われ、監督の要望を受けて、当初、大泉は今よりもさらにボリュームのあるかつらをかぶり、顔には大きなほくろを描いて、さらには眼鏡を掛けた“ユウタロウ”を作り上げたとのこと。
大泉は「とは言ってもこの映画は僕が幼い息子と嫁さんを残して死んでしまい、幽霊として見守っている設定なので、コメディー要素があってもどこか切なくて泣けてしまうんです」と切り出すと、リハーサルの際に面白い見た目のユウタロウで果たして泣けるのかを試してみたと報告。結果リハーサルでは新垣をはじめ周囲のスタッフも泣けたというが、最終的にプロデューサー陣からはNGが。ほくろ、眼鏡はナシになり、現在のスタイルになったことを明かした。
新垣はそんな大泉について「すごく理解力のある方で、人って会話をする時に、伝えたいことを表現するために選ぶ言葉ってそれぞれ違ったりするじゃないですか。そういうのをよくくみ取ってくださって。だから話していてすごく楽しいです。よりすてきな一面を見られたなと思います」とにっこり。この日の撮影の合間にも「自分はきょうだいの中で何番目で、何番目に生まれた子はこういう性格だ」という話題で盛り上がったという。
また、ユウタロウが周囲の人々に乗り移ったシーンについて説明する際、新垣が「監督が大泉さんを演じる皆さん(ユウタロウに乗り移られる人役の俳優陣)に『ユウタロウはちっちゃい男なんです』ってしょっちゅう言っているんですよ(笑)」と言えば、大泉が「僕には言ってないなぁ。それは悪口かい?」とすかさず応じるなど、終始息の合った掛け合いを見せていた二人。初共演とは思えないほどのコンビネーションの良さが作品の魅力の一つになっていることは間違いなさそうだ。(編集部・市川遥)
映画『TWILIGHT ささらさや』は今秋、全国公開