河瀬直美監督、フランス映画に感謝と祝辞!フランス映画祭2014が開幕
今年で22回を数える「フランス映画祭2014」が27日に開幕し、東京・有楽町朝日ホールで行われたオープニングセレモニーに、トニー・ガトリフ監督を団長とする来日ゲストアーティストたち14名が一堂に顔をそろえた。迎える日本サイドのスペシャルゲストとして、カンヌ国際映画祭コンペティション部門への4度の出品など、フランスとゆかりの深い河瀬直美監督が登壇し、「わたしの映画は、フランスの方々に育てていただいたようなもの」と祝辞を述べた。
来日ゲスト代表のガトリフ団長に花束をプレゼントした河瀬監督は、フランスと自身の映画について「たくさんのフランスの方々に、わたしの映画を観てもらい、たくさんの愛情で育てていただいた。今年も多くの映画がカンヌに出品されていましたが、フランス映画は、いつも生きていくことの喜びを発信し続けていると思う。そのようなフランス映画に敬意を感じています。わたしの『2つ目の窓』も、最初にフランスからの出資が決まり、その意味で、フランスと日本のコラボで出来上がった映画でもあります」と述べると、会場と壇上から大きな拍手が起こった。
本年度カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品の最新作『2つ目の窓』は、惜しくもパルムドール(最高賞)を逃したが、同映画祭では『萌の朱雀』(1997年)でカメラドール(新人監督賞)、『殯(もがり)の森』(2008年)でグランプリを受賞し、昨年は 映画祭審査員も務めた河瀬監督。「雨にもかかわらず、会場にたくさんの人が集まり、こうして映画祭で日仏の交流ができることがうれしい」と感慨を述べる。
そして主催者のイザベル・ジョルダーノ氏(ユニフランス代表)が、今年のフランス映画祭について「いまのフランス映画の多様な色彩や味わいを存分に楽しんでいただける作品を持ってきました。4日間の感動の旅にご案内します」と述べると、団長のガトリフ監督は「フランス映画というファミリーの一員として、ここに立ててうれしい。映画は人間をおとしめるものではなく、人間を高めてくれるものと信じています」と熱っぽく語っていた。(取材 / 岸田智)
「フランス映画祭2014」は6月30日まで東京・有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催 また福岡、京都、大阪では7月11日までプログラムの一部を巡回上映