トム・クルーズ、ヒーローらしからぬ主人公への思い!
トム・クルーズが、日本の小説を原作にした映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』で演じた主人公ウィリアム・ケイジについて語った。これまでは『ミッション:インポッシブル』のイーサン・ハントなど、勇敢なキャラクターを多数演じてきたトムだが、ケイジはその真反対の、臆病な男。だからこそ、トムは「彼はとても人間臭い男だ」と、役への思いを語った。
この映画に出演しようと思った理由として、トムは「ダグ・ライマン監督の存在」「タイムループという設定」、そして「ヒーローらしからぬ主人公の存在」を挙げると、「兵士じゃないから戦うつもりなんてないし、基本的には臆病者なんだ。戦争になど関わりたくないと思っている、後ろ向きなヒーローだよ」とバッサリ。
トム自身は自他共認める熱い男。でも、だからこそ自身とは全く違うタイプのケイジという役に惹(ひ)かれたという。「しかも、特別な力(タイムループ)まで手に入れてしまったことで、ケイジはさらに興味深いキャラクターになっていくんだよ。そんな絶望の中でリタと出会い、彼女の背負っていた重荷を痛感する。そして、この力を返そうとするんだ。自分では手に余る力だから、君に返したいとね。そんな物語の構造がとても面白いんだ」とトム。
そうしたケイジのキャラクターを反映してか、作品のトーンもコメディ色が強くなっている。「(ライマン監督とは)『この映画はキャラクターコメディだね』と話していたよ」「僕も監督も妥協のないキャラクターを求めていたんだ。笑いのあるね」というトムは、「僕にとってこれは笑える映画なんだ。これが僕の笑いのセンスなんだ」と訴えた。
そんなトムの主演作としては異色の作品となったが、トムの演技はキャリア最高との呼び声も高い。50歳を超えても、ますます進化を続ける俳優トム・クルーズのすごみ、そして軽みを味わうことができるだけでなく、作品全体を見ても、エンターテインメントとして非常に良質な一作に仕上がっているのは、さすがだ。(編集部・福田麗)
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は7月4日より全国公開