中島哲也監督、異例の声明…『渇き。』のバイオレンス描写に賛否両論
映画『告白』などで知られる中島哲也監督が、先月27日より公開されている最新作『渇き。』についての直筆声明文を発表し、「グロ過ぎたら、ホントに申し訳ありません」と謝罪した。
同作は、第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の「果てしなき渇き」を原作に、失踪した娘の行方を追う元刑事の姿を通して、壮絶な愛憎を描いたサスペンス。R15+指定が生易しく感じられるほどのバイオレンス描写が話題になり、「今まで観た映画で最悪。自分の脳から消し去りたい」「気持ち悪くなったし気分が悪くなった」といった意見が後を絶たない一方で、「映画の力を感じる」と絶賛もされるなど、賛否両論を巻き起こしている。
中島監督は声明文の中で「人間の愛と、憎しみの感情は決して対極にあるものではない。日々を生きながら、そして『告白』という映画を作りながら強く感じた その気持ちは、僕の次なる映画のテーマになりました」と本作の着想を明かすと、「僕が初めて、どうしても撮りたい、撮らなければならないと思った映画です」と思いを吐露。
「この映画の主人公は、暴力でしか人とつながれない。でも、つながった途端、その人を傷つけ、壊し、失ってしまう。そんな人間の孤独は悲劇であり、喜劇です。ロクデナシの父、藤島とアクマの娘、加奈子の愛と憎の物語を劇場でご覧下さい」とつづった中島監督は最後、「グロ過ぎたら、ホントに申し訳ありません」と異例ともいえる謝罪で締めくくっている。
公開後からツイッターなどのSNSやレビューサイトでは、感想が絶賛と酷評の真っ二つに分かれており、配給いわく「近年まれにみる賛否両論の嵐」とのこと。初日から8日間限定で学生1,000円キャンペーンを実施しているが、鑑賞者からは「学生に見せてはいけない映画」「子供である学生に割引で見せるということの見識を疑う」というほか、「とにかく、一刻も早く上映中止にすべきだ!」といった過激な意見も出てきている。反面、「今の高校生がバカではないと信じたいし、そういったもの(バイオレンス)を映画の中で美化した表現の映画ではないと感じました」という擁護派もいる。(編集部・福田麗)
映画『渇き。』は全国公開中