『プレーンズ』のこだわり!“炎”のアニメ表現を突き詰めた制作陣
ディズニートゥーン・スタジオが手掛けた映画『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』の制作陣が、それぞれのこだわりポイントを明かした。「何よりもリサーチ(取材)を大事にする」と口をそろえる彼らが、とりわけ力を注いだ箇所とは? 「神は細部に宿る」という言葉を地で行く制作陣に脱帽すること間違いなしだ。
『アナと雪の女王』ではこれまでのアニメーションでは不可能だと思われていた“雪”と“氷”の表現を追求したが、本作『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』ではその真逆、“炎”の表現に腐心したと語るのは、CGスーパーバイザーのダグ・リトル。「僕たちは火事が今作の悪役になることがわかっていた。火事が今作のメインキャラクターだと考えていたんだ」と明かすと、そのために“炎”がどういったものなのかを徹底的にリサーチしたことを振り返った。
“炎”の表現が難しいのは、“炎”それだけで完結しているのではなく、“煙”“残骸”“光”といった要素も複合的に描かなくていけないため。化学的にも検証を重ね、“リアルな炎”をスクリーン上に生み出したが、それだけでは不十分だったとダグは言う。「僕たちはかなりの時間を費やして、また化学や物理学を基にして、リアルな“炎”を作った。でも、アートディレクターは『炎はもっと大きくないとだめだ』と言ってきてね……(笑)。だから僕たちは、“炎”をただリアルにするのではなくて、本物らしさと映画としての素晴らしさを両立させないといけなかったんだ」。
そうして生み出された“炎”は劇中、舞台となる「ピストン・ピーク国立公園」を焼き尽くすことになるが、その「ピストン・ピーク国立公園」もまた徹底したリサーチによって綿密にデザインされており、アートディレクターのトビー・ウィルソンは「美しい物を作るのにすごく努力しているのに、それを燃やされてしまうというのは、とてもタフなことだったよ」と苦笑する。
「でも、僕たちが作ったものは最終的には、ストーリーや、観客が感じるであろうエモーションをサポートしないといけない。だから、火事がもたらす惨状をちゃんと見せようとした」いうトビーは「でも、これは映画を観てもらわないといけないんだけど、僕たちが美しい物を作るからこそ、それが燃えるのを防ごうとする主人公たちの仕事があるんだよ」とキッパリ。細かなところにも手を抜かないプロフェッショナルな一面をのぞかせていた。(編集部・福田麗)
映画『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』は7月19日より全国公開