ジェシー・アイゼンバーグ×ドストエフスキー『嗤う分身』11月公開
『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグ主演で文豪ドストエフスキーの小説を映画化した『The Double』の邦題が『嗤う分身』に決まり、11月8日より日本公開される。もう一人の“自分”の出現によって全てを狂わされていく男のてん末を、ダークユーモアとロマンスをふんだんに効かせて描いた作品だ。
内気で要領が悪いサイモン(ジェシー)は会社の上司にも同僚にもバカにされ、思いを寄せるコピー係のハナ(ミア・ワシコウスカ)とまともに話すこともできない。そんなある日、期待の新人ジェームズ(ジェシー)が入社してくるが、彼はサイモンと全く同じ容姿を持つ男だった。何一つさえないサイモンと要領がよくモテ男のジェームズ。サイモンは次第にジェームズのペースに翻弄(ほんろう)され、やがて思いもよらぬ事態へとのみ込まれていく……。
メガホンを取ったのは、コメディアン・俳優としても活躍し、デビュー作『サブマリン』(2010)で高い評価を得たリチャード・アイオアディ監督。テリー・ギリアムやデヴィッド・リンチをほうふつさせるレトロで奇妙なディストピア世界に、劇中歌として坂本九が歌う「上を向いて歩こう」やジャッキー吉川とブルー・コメッツの「ブルー・シャトウ」「雨の赤坂」「草原の輝き」「さよならのあとで」といった日本の昭和歌謡曲が流れる点にも注目したい。(編集部・市川遥)
映画『嗤う分身』は11月8日よりシネマライズほか全国公開