「宇宙兄弟」はまだまだ終わらない!主演声優二人が語る
人気漫画「宇宙兄弟」の原作者・小山宙哉が、オリジナル脚本を執筆したアニメーション映画『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』。テレビアニメシリーズから主人公の南波兄弟の声優を務めてきた平田広明(南波六太役)とKENN(南波日々人役)の二人がインタビューに応じ、「待ち遠しかった」という劇場版について語った。
「一度テレビシリーズをやった後に『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』を演じるのと、ここから(アニメが)スタートするのでは、気持ちも場の雰囲気も全く違うと思う」と話すほど、今作が「宇宙兄弟」の物語において重要な作品になったという平田。KENNも「先にあったテレビシリーズは30歳前後のお話だったので、25歳の日々人を演じて新鮮な気持ちになりました。未熟なころの自信満々じゃなくて、すごく落ち込んだりして……より日々人が感じられたなと」と自身が演じる日々人が、新たな一面をのぞかせていることを告白。
その一つには、ポスタービジュアルなどにもなっていた日々人の泣く姿があるという。KENNは、「小山先生が、ご自分でおかきになったということを聞いて」と原作者の小山が本作の設定画および脚本を手掛けていることに触れた上で、劇中でテレビシリーズなどでは見られなかった感情をあらわにする日々人の姿に「どうしようもなく込み上げてくるものがあった」と述懐した。
さらに異なる一面を見せたキャラクターとして平田は、「両親がお笑いだけじゃなかった」と南波兄弟の両親を挙げた。今回、兄弟に別れの大事さを教える役目を担う二人に対して、「根幹的なものをきちんと教えてくれる。普段コミカルな親たちだからこそ、ぐっとくるのかもしれない」と振り返っていた。
「宇宙兄弟」の魅力についてKENNは、「こういう言葉で元気もらえたなとか、この言葉好きだなとか、この人のこういう考え方好きだなとか、そういうところがこの作品に詰まっている」と表現。平田は、宇宙飛行士として兄弟で月に立つという夢を追う主人公たちにちなみ、「応援歌じゃないけど、たくさんのエールやメッセージの詰まった映画になっていると思います。それぞれの立場でみんなが勇気を持って臨んでいる姿が描かれているので、一緒の気持ちになっていただければ」と言葉を添えた。
そして、アニメやその前日譚(たん)となる劇場版の吹き替えを終えたものの、二人の中に息づくキャラクターたちの物語はまだ続いていることを強調した彼ら。「まだまだ終わっていないですからね」と加える平田に、KENNも大きくうなずいた。現在も連載中の原作漫画から、再び「宇宙兄弟」の物語がアニメで展開することに期待を寄せる様子を見せていた。(編集部・井本早紀)
映画『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』は全国公開中