故・森田芳光監督夫人から出資、阪本順治監督から愛あるアドバイス…監督デビュー作初日に感無量!
故・森田芳光監督、阪本順治監督らの作品で助監督を務め、腕を磨いてきた堀口正樹の念願の監督デビュー作『ショートホープ』初日舞台あいさつが16日、渋谷ユーロスペースで行われた。主演の竜跳、岸部一徳、中村麻美、鳥羽潤、芹沢礼多らと共に登壇した堀口監督は、「脚本に着手してから約3年、いろんな方々の力添えがあってようやくこの日を迎えることができた」と感無量の様子で語った。
鳥羽潤も登壇!『ショートホープ』初日舞台あいさつ写真ギャラリー
本作は、ストリッパーの実母を亡くし、里親から愛情を注がれず、自分の居場所を失った少年・和也(竜跳)が、いまだ見ぬ父を捜そうと小さな旅を繰り広げるヒューマンドラマ。韓国で行われた第15回全州国際映画祭インターナショナルコンベンション部門に出品され、外国メディアから絶賛された。
舞台あいさつ後、インタビューに応じた堀口監督は、「助監督でお世話になった森田監督には、脚本が完成した段階でお見せしようと思っていたのですが、残念ながらいま一歩のところで間に合いませんでした。でも、奥様から映画化するならぜひ出資したいと申し出ていただいて」と言葉をかみしめる。
また、同じく助監督を務めた阪本監督からは、「ある大物俳優さんも言っていたが、映画で一番大切なのは『裏切り』なんだ。それが足りない」と愛あるアドバイスをもらい、完成した本編に一部修正を施したという。
脚本に着手してから足掛け3年。紆余(うよ)曲折を経てついに初日を迎えた本作に、堀口監督は「メジャーと違い、何のけれんみもない作品。音楽で泣かせることもない、どストレートな作品。お口に合ったらぜひ拡散してください」とアピールした。
なお、本作に出演した俳優陣は、ほとんどが助監督時代から苦労を共にした映画仲間。その中でも一番の長老である岸部は、「僕はストリップ小屋にいる人の役なんだけど、知っている方は知っていると思うけど、あの『でべそ』(観客に囲まれた舞台)、懐かしかったなぁ」と味わい深い一言で会場を笑いの渦に巻き込んでいた。(取材:坂田正樹)
映画『ショートホープ』はユーロスペースにて公開中