車いすの17歳と父親のスポ根感動作!アイアンマンレースに挑んだ“最強のふたり”
ハンディキャップのある主人公が、トライアスロン最高峰と言われるアイアンマンレースに挑むフランス映画『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』のニルス・タヴェルニエ監督と主演のファビアン・エローが、困難だった撮影の裏側を明かした。
『最強のふたり』に続くフランスのヒット作『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』汗と涙のフォトギャラリー
本作の主人公は、車いす生活を送る17才の少年ジュリアンと、息子への接し方に悩む父親ポール。そんな父子が、息子のかたくなな希望で、過酷なアイアンマンレースへの出場を決意する。アイアンマンレースの各競技の距離は、スイム3.8キロ、自転車180キロ、ラン42.195キロと、オリンピックのトライアスロンよりもはるかに長い。この競技が“鉄人”レースと呼ばれるのも当然のことなのだ。
アイアンマンレースのスタートのシーンは、南仏ニースでの実際のレースで撮影を敢行した。タヴェルニエ監督は「スタートシーンの撮影はやり直しができない。あの撮影が初日だったこともあって、主演の2人が実際の父子に映るかどうかは本当に賭けだった」と制限のある中での撮影に不安があったことをにじませたが、レースの迫力と父子のやる気が存分に伝わるものに仕上がっている。
ジュリアンを演じたファビアンは、実際に脳神経障害がある俳優。この役を演じるにあたり、「完走できない選手もいるけど、彼らからも感動を与えられた」とこの競技への驚きと敬意を表すと同時に、「大変なことになったと思ったけど、不安や恐れよりエキサイティングな気持ちが大きかった」と瞳を輝かせて語った。
本作と同じく車いすの生活を送る障害者を主人公にしたヒット作に、『最強のふたり』がある。同作についてタヴェルニエ監督は「いい映画で、自分も好きだ」といい、「大きな違いは『最強のふたり』はコメディーであること。僕は障害のある主人公が家族をどう再生させ、どんな変化をもたらすかという物語を描きたかった」と家族ドラマとしての側面を強調する。繊細なテーマに、困難な撮影。タヴェルニエ監督と主演俳優ファビアン・エローの“最強のふたり”による、果敢な挑戦を見届けてほしい。(岩永めぐみ)
映画『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』は8月29日よりTOHOシネマズ日本橋ほかにて全国公開