山田洋次監督、米倉斉加年さんの死に沈痛「言葉もありません」
山田洋次監督が27日、自身の監督作『男はつらいよ』シリーズや『小さいおうち』に出演した俳優の米倉斉加年さんが亡くなったことを受け、「あまりの突然で言葉もありません」とFAXでコメントを寄せた。
山田監督は「この春、米倉さんに出演してもらった映画『小さいおうち』のパーティーでお会いしたときはとても元気で、この次は喜劇の舞台をやろうねと、その話で盛り上がり実際ぼくはその気になっていたので、あまりの突然で言葉もありません」と心境を吐露。
名優・宇野重吉さんを師と慕った米倉さんについて、「ぼくは彼がうっとりした表情で宇野さんの話をする姿が好きだったし、その姿がいつのまにか宇野さんに似てきたような気がしたものです」と振り返り、「柔軟な感性と表現力、その奥に硬質な思想がでんと座っている、素晴らしい役者がこの国から一人消えた、という思いです」と米倉さんの死を悼んだ。
米倉さんは26日の午後9時33分、腹部大動脈瘤(りゅう)破裂のため、福岡市内の病院で死去。80歳だった。(編集部・中山雄一朗)