高橋治『彼女だけが知っている』がベネチアで上映!アミール・ナデリ監督も絶賛
第71回ベネチア国際映画祭
現地時間2日、第71回ベネチア国際映画祭クラシック部門に出品されている高橋治監督の映画『彼女だけが知っている』の公式上映が行われた。
1960年に製作された本作は、刑事の父親と、父の相棒である刑事を恋人に持つヒロインが、彼らが追う強姦(ごうかん)魔の手にかかってしまうことをきっかけに、父の苦悩、ヒロインの葛藤に加え、犯人逮捕までをサスペンスフルに描いた作品。篠田正浩、大島渚らと共に松竹ヌーベルバーグを担った高橋監督のデビュー作で、小山明子、渡辺文雄、笠智衆が出演している。
上映の前には、松竹株式会社の森口和則氏が「高橋監督の作品をこのベネチア国際映画祭で紹介するチャンスを与えてくださったベネチア国際映画祭に心から感謝しております」とあいさつ。「高橋監督は、小津安二郎監督の『東京物語』に助監督として関わった後に松竹ヌーベルバーグの一員として、吉田喜重、大島渚、篠田正浩と一緒に映画作りをしておりました。ユニークな題材ではありませんが、高橋監督のスタイルがわかる作品になっています」と作品を紹介した。
1時間ほどの短い作品だが、上映後には温かい拍手が送られ、イタリア人の観客も日本のクラシック映画を楽しんだ様子。本作の上映には、西島秀俊主演映画『CUT』のイラン出身アミール・ナデリ監督も訪れており、「昔、1度鑑賞したことがあった作品だが、2回観ても面白い。当時の日本は本当に素晴らしい監督と作品があふれていたね」と笑顔で話していた。(編集部・森田真帆)
第71回ベネチア国際映画祭は現地時間9月6日まで開催