映画『トレーニング デイ』以来、デンゼル&アントワーン監督の再タッグ映画とは?
アントワーン・フークア監督が映画『トレーニング デイ』以来、再びデンゼル・ワシントンとタッグを組んだ話題作『イコライザー』について語った。
本作は、かつてはCIAの特殊部隊の工作員で、いまはホームセンターで働くロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)が、ダイナーで知り合った10代の娼婦(しょうふ)テリー(クロエ・グレース・モレッツ)がロシアのギャングから暴力を受け、連れ去られたことを知り、彼女を救おうと組織に乗り込んでいくというアクションドラマ。1985年~1989年まで放映されたテレビシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」(原題「The Equalizer」)の劇場版作品とされているが、主人公の名前ぐらいしか一致しない全く別作品。
『トレーニング デイ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したデンゼルとの再タッグについて「実は彼と一度タッグを組む予定だったが、製作できなかったことがあった。でもあの作品以降友人となり、連絡も取り合っていたが、彼はあの映画の後に2本の映画でメガホンを取っていて、僕自身も本当に忙しく、いつの間にかあの映画から13年もの月日がたっていた」と振り返った。
デンゼル演じるロバートとは「彼は暴力には気乗りしないが、いつの間にかヒーローになっているタイプだ。彼には暗い過去があり、正しいことを望むが、間違ったことを徹底的に解決しようとする。さらに彼はすでに亡くなった妻とCIAには戻らないことを約束していたが、(現在の生活においては)それが無理な環境に陥っていく。そんな時に、ダイナーでクロエ演じるテリーと出会い、テリーはロバートに何か他の人とは違うものを見いだしていく。ロバートは普段もの静かで、孤独だが、すごく同情的でもあるんだ」と語った。
映画には激しい暴力も含まれるが、娯楽作品を描く上でそんなシーンを表現する難しさについて「残酷なシーンは必ず物語に沿っていなければならないし、さらにキャラクターに合わせたものでなければいけない。ロバートは優しい人物ではあるが、そんな彼が人に対して攻撃的になるのは、(人が)暴力を彼のもとに招いたからなんだ。世の中には、暴力的な男と暴力を理解している男が居て、ロバートは後者だ」と語った。
映画は、数多くのギャングメンバーを前に、動揺せずに制裁していくデンゼル・ワシントンの演技が爽快なアクション作品だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)