ベルリン映画祭2冠の『薄氷の殺人』1月公開!悪夢へと誘うノワールな映像世界が明らかに
第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞(作品賞グランプリ)&銀熊賞(主演男優賞)の2冠に輝いた中国映画『薄氷の殺人』が2015年1月10日より日本公開される。未解決の連続猟奇殺人事件を描いた同作の予告編が公開され、観る者をめくるめく現実と悪夢の狭間へといざなうノワールな映像世界が明らかになった。
物語は1999年、男の死体の断片が六つの都市にまたがる15か所の石炭工場で発見されたことからスタート。私生活に問題を抱えた刑事ジャン(リャオ・ファン)が捜査を担当するが、容疑者の兄弟が逮捕時に抵抗して射殺されたため、真相は闇に葬られてしまう。そして2004年、しがない警備員となったジャンは、5年前と似た手口の二つの殺人事件を警察が追っていることを知り、独自の調査に乗り出す。被害者たちは殺される直前、いずれも若く美しいウー(グイ・ルンメイ)という未亡人と親密な仲だった。そしてジャンもまた、はからずもウーに心を奪われていく……。
今年2月に開催されたベルリン映画祭で『グランド・ブダペスト・ホテル』や『6才のボクが、大人になるまで。』を抑えて最高賞にあたる金熊賞に輝いた『薄氷の殺人』は、中国の新鋭ディアオ・イーナン監督の長編3作目。今回公開された予告編からは、撮影前に『第三の男』『黒い罠』といったフィルムノワールの名作を参照したというイーナン監督のシネフィル的なセンスに満ち満ちており、『殺人の追憶』のポン・ジュノ、『罪の手ざわり』のジャ・ジャンクーらに続く大器の登場を予感させる。(編集部・市川遥)
映画『薄氷の殺人』は2015年1月10日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開