宮沢りえ、猫的な女優になりたい
女優の宮沢りえが16日、東京・丸ビルホールで行われた主演ドラマ「グーグーだって猫である」(WOWOW)の完成披露試写会に出席し、「猫的な女優になりたい」とユニークな希望を明かした。宮沢がイベントに登場するのは、母・光子さんの死去後初めて。共演の長塚圭史とメガホンを取った犬童一心監督も登壇した。
少女漫画家・大島弓子の自伝的コミックエッセイをオリジナルドラマで描く本作。愛猫・サバを亡くし、憔悴(しょうすい)しきった少女漫画家・小島麻子(宮沢)が吉祥寺・井の頭公園のホームレスが連れていた子猫と出会ったことをから心温まる物語をつづる。
撮影を振り返った宮沢は「最初は猫の嫌うことはやめようと距離を取っていたのですが、ある日、暴れていた子猫を何気なくなでたらスッとおとなしいいい子になってくれて、そこから仲良くなれました。とても猫密度の高い作品で、ドアをあけると猫10匹なんてシーンがあっても全然平気。今後わたしは猫映画に重宝されるんじゃないかな」と笑顔を見せた。
さらに「犬童監督の猫の撮り方が素晴らしくて、無理に動かすんじゃなく猫がそういう気持ちになるまで待ちましょうとおっしゃるんです。だから猫たちが本当に自由でのびのび映っていて。自分もこんなふうに、猫的な女優になりたいと思いました」と話す宮沢。ロケ先の吉祥寺についても「ハモニカ横丁とか入りたいお店の誘惑から逃れるのが大変で、わたしが住みたい街No.1は今、吉祥寺ですね」と、猫と吉祥寺にゾッコンといった表情だ。
2008年に小泉今日子主演で映画版『グーグーだって猫である』を撮った犬童監督は、ドラマ版で再び本作に挑む。「映画を撮ったあと、大島(弓子)さんの原点をもう一度確認しようと思った。だからアプローチははっきりしていました。中・高校を吉祥寺で過ごし、この街が大好きで、大島弓子の大ファンで、好きな役者さんと好きにやらせてもらえる。自分にとっては人生最高の時間で、逆に本当にどうもすいません、という感じです」と客席に向かって頭を下げていた。(取材・岸田智)
連続ドラマW「グーグーだって猫である」は10月18日夜10時よりWOWOWにて放送(毎週土曜・全4話・第1話無料放送)