キアヌ・リーヴスが『マトリックス』シリーズのスタントマンの監督作について語る
映画『マトリックス』シリーズでおなじみの人気俳優キアヌ・リーヴスが、新作『ジョン・ウィック(原題) / John Wick』について語った。
本作は、引退した元殺し屋のジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)が、ある日突然組織に襲撃され、亡き妻の愛犬まで殺されたことで、彼らに復讐(ふくしゅう)するために過去に封印していた武器を取り出し、組織のもとに乗り込んでいくというアクション作品。数多くのハリウッド大作のスタントを務めてきたデヴィッド・リーチとチャド・スタエルスキがメガホンを取った。
出演経緯について「映画『タイタンの戦い』の製作者ベイジル・イヴァニクが今作の脚本を送ってくれた。脚本は、現実の世界と暗黒の世界が交錯し、殺し屋の世界の面目や規定などにも注目していた。さらに多くのものを失ったジョン・ウィックというキャラクターにも感情的に惹(ひ)かれた。そんなジョンには謎めいた過去があるが、最も興味を持ったのは、復讐しながら人生を取り戻そうとするところだ」と語った。
長回しの撮影が多いことについて「デヴィッドとチャドは意図的にワイドショットの撮影で長回しを使用した。それは観客に(カットなしで)目前のスクリーンで起きていることを直視してほしかったからだ。ただ長回しでカットしないため、俳優やスタントの人たちは、高いレベルで、より正確なタイミングのパフォーマンス(アクション)を要求されたけれどね(笑)」と明かし、さらにこの撮影手法は監督の日本アニメやアジア映画の影響によるものらしい。
『マトリックス』シリーズでもタッグを組んだデヴィッドとチャドについて「彼らは数多くの作品でアクションをこなし、彼ら自身の(スタントマンの)会社も成長させ、(大作の)撮影第2班を任せられることも増えてきていた。そんな彼らとは長年映画の構成について話し合ってきて、いつか自分たちの映画を製作したいという情熱があることも彼らは語っていた。彼らが執筆した脚本を最初に読んだ時は、僕は彼らに脚本だけではなく、監督もしてほしいと思った。なぜなら、彼らと僕の体験や彼らのアクションへのビジョンを考えると、彼らが適任だと思ったからだ」と信頼できる相手に作品を委ねられたようだ。
映画は、スタントマンが考え出したあらゆるアクションが盛り込まれ、目で楽しませてくれる作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)