ティム・バートン、サムライ賞受賞に「今日はラッキーデイ!」
第27回東京国際映画祭
来日中のティム・バートン監督が31日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた東京国際映画祭特別招待作品『ビッグ・アイズ』スペシャル・プレゼンテーションに出席。同映画祭で、比類なき感性で常に時代を切り開き続けている人をたたえる「サムライ“SAMURAI”賞」を受賞した喜びを「今日はラッキーデイ! そしてハロウィーンでもあります。二重の喜びです」とうれしそうに表現した。
登壇するなり「何度も日本に来ていますが、毎回とても楽しみにしています。日本が大好き。今回も特別な気持ちでいっぱいです」とあいさつしたバートン監督。「今、仕上げているところ」という『ビッグ・アイズ』は今回は予告編のみの上映で、「残念ながら今日皆さんにお見せすることはできないのですが、それでも、こんなにたくさん集まってくださって本当にありがとうございます」とファンに感謝した。
本作は、悲しげな大きな目の子供を描いた絵画「BIG EYES」シリーズをめぐり、実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻が引き起こした事件の行方を描く伝記作品。妻が描いた絵を夫が自分名義で販売し名声を手にしていたことから、アート界を揺るがす大スキャンダルへと発展していく。
バートン監督は「BIG EYES」シリーズについて、「僕が子供のころはそこら中にあって、子供ながらに不思議な絵だなって思っていました。何か見つめられているようで気持ちも悪いのですが、インパクトがあって、後から考えると日本の漫画っぽいなとも思います。こんな気持ちの悪いものがインパクトを持っていることに、子供のころからとても興味を持っていたんです」と説明。
「実在の人物を映画化したのは『エド・ウッド』(1994)以来」というバートン監督は、キーン夫妻を演じたエイミー・アダムスとクリストフ・ヴァルツを「素晴らしい俳優たち」と絶賛。「映画を作ることの喜びというのは俳優だったり、デザイナーだったり、いろんな人たちとコラボレーションできるということ。彼らと仕事ができたことは幸せです」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『ビッグ・アイズ』は2015年1月よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国公開