名脇役・笹野高史、41歳差濡れ場ありの初主演映画で家族会議
俳優の笹野高史が1日、新宿ミラノで行われた映画『グレイトフルデッド』の初日舞台あいさつに、共に主演を務めた瀧内公美、共演の木下ほうか、渡辺奈緒子、内田英治監督、主題歌を歌うHeartbeat(ハービー)らと登壇した。66歳の笹野は、25歳の瀧内と濡れ場を演じ、果ては殺し合いのバトルを繰り広げるなど、過激なシーンを含む撮影の様子を振り返った。
名脇役のイメージが強い笹野は「これが自分の主演作だと(スタッフに言われるまで)気づかなかった。人生初の記念すべき主演映画です」と語りつつ、「来たオファーは断らないのが僕の信条だけど、この役は躊躇(ちゅうちょ)しましたよ。『あんなキレイな女優に犯されやがって』と(観客の)皆さん、嫉妬のまな差しですね。でも映画の現場は特殊なのでご安心。(バイアグラを飲まされるシーンでは)木下くんが、より強力な最新の薬を持ってきて。もしものために(股間を)ガムテープでギュウギュウに固定したけど、全然効かなかった」と衝撃的な裏話を明かした。
さらに笹野は「『ハダカのシーンだけど、いい?』って家族会議もしました。(撮影では)悔しいから、猿ぐつわをされた上唇で、最後に彼女の乳首をなめてやろうと思ったけど、俊敏にかわされて逃げられた」と笑いながら「僕の代表作です」と満足気な表情。
映画『地球でたったふたり』『世界最後の日々』などの内田監督が、脚本を書き下ろした本作。「宗教をテーマにしようと思っていたら、少し社会派のブラックコメディーになった。真面目な映画祭に招待されたいのですが、呼ばれるのはファンタ系ばっかり。でも満足です。瀧内さんは、昔は野良犬っぽい生意気な感じで役にぴったりって思ったけど、今はこんなにきれいな女優さんになって」と内田監督からたたえられた瀧内は「映画女優になる夢がかないました」と感極まって涙を浮かべていた。
本作は、孤独な老人を観察するのが趣味の“孤独ウォッチャー”の女・冴島ナミ(瀧内)が、人生に失望した孤独な老人・塩見三十郎(笹野)へ異常な執着を抱き、塩見を拉致監禁。最後に壮絶なバトルへ発展する異色サイコスリラー。老人の孤独死やストーカー問題など、社会の重い現実をブラックユーモアと破壊力満点の演出で吹き飛ばす。(取材/岸田智)
映画『グレイトフルデッド』は新宿ミラノほかにて公開中