宮沢りえ、号泣!7年ぶり主演作監督の手紙に感無量
女優の宮沢りえが15日、都内で行われた主演映画『紙の月』初日舞台あいさつに、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、小林聡美、吉田大八監督と共に登壇した。舞台あいさつ中、吉田監督の思いが詰まった手紙が読み上げられると、宮沢は感極まり号泣。そんな宮沢を吉田監督は力強く抱きしめた。
7年ぶりに主演を務めた本作で、第27回東京国際映画祭の最優秀女優賞を受賞している宮沢は「待ち遠しかったこの日を迎えられてうれしく思っています。人生が音楽だとすると、この『紙の月』との出会いは、わたしにとって貴重で大切な一小節になりました」とあいさつ。その瞳はすでに潤んでおり、池松が「宮沢さんが7年ぶりにこうやって今この場に立っている心境は僕には計り知れませんが、少しでも受け取って帰ってくれたらうれしいです」と語ると、思わず天を見上げ、涙がこぼれ落ちるのをこらえる場面も見られた。
その後は和やかな雰囲気でトークも進み、笑顔を見せる宮沢だが、吉田監督からの手紙で涙腺は崩壊。当初、作品に手応えを感じていなかったという吉田監督が、宮沢がオファーを受けてから形を成していったこと、また、撮影だけでなく取材やインタビューにも全身全霊で取り組む宮沢の姿から「あなたがこの映画を、どれほど大切に思ってくれているかが伝わってきて、うれしさを通り越して苦しいくらいでした」と思いを伝えると、宮沢はあふれる涙を止められなかった。
続けて、「僕たちは簡単に言葉にできない大きなものをつかまえるために、この仕事をしているんだと思います。宮沢さん、またいつかもっと大きなものをつかまえる旅に出ましょう」とメッセージを贈った吉田監督は、宮沢を強く抱きしめる。そんな熱い思いを受け取った宮沢は、「本当に忘れられない日になりました。こういうのを感無量っていうんですかね」と声を詰まらせながら感謝の言葉を述べていた。
角田光代のベストセラー小説を原作とした本作は、銀行に勤める平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢)が大学生・平林光太(池松)との不倫の果てに巨額横領事件を引き起こし、転落していくさまを描いたヒューマンサスペンス。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『紙の月』は全国公開中