7人のおばちゃんが日本映画に旋風を巻き起こす?沖田修一監督の新作に母親も太鼓判!
沖田修一監督の最新作『滝を見にいく』初日舞台あいさつが22日、新宿武蔵野館で行われ、沖田監督と黒田大輔、そして物語の主人公となる“7人のおばちゃん”のうち、根岸遙子、安澤千草、荻野百合子、桐原三枝、川田久美子、渡辺道子が登壇した。
沖田監督といえば、これまで堺雅人(『南極料理人』)、役所広司(『キツツキと雨』)、高良健吾・吉高由里子(『横道世之介』)など、有名俳優を起用した作品を世に送り出してきたが、本作は「40歳以上の女性・経験問わず」という条件のオーディションで選ばれた、言ってみればスター不在の映画だ。“おばちゃん”たちの中には、演技が初めてという人もいる。
それでも第27回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門でスペシャル・メンションを受けるなど評価は高い。沖田監督は「オーディションで皆さんに色々な話を聞かせていただいたので、随所にその要素を台本に入れさせてもらったんです」と本作ならではのキャスティングが、魅力的なキャラクター作りに役立ったことを明かす。
小規模公開ながら初日は満席。沖田作品には欠かせないツアーガイド役を務めた黒田は「スターさんが誰もいない映画なのに、すごく面白いものができた。もしこの映画がたくさんの方に観てもらえたなら、日本映画に旋風を巻き起こせると思います」と熱い思いを語った。
また、ユーミン役の安澤は「東京国際映画祭で、沖田監督のお母様にお会いしたのですが、そのとき『修一らしい作品でした』とおっしゃっていただけたんです。それで(作品に)自信が持てました」と裏話を披露。沖田監督の母親はこの日も来場しており、監督は照れ笑いを浮かべていた。
本作は、映画『横道世之介』の沖田監督がオリジナル作品として手掛けたアドベンチャーコメディー。紅葉ツアーに参加した中年女性7人が、山で遭難してしまったことからさまざまな困難に巻き込まれていく姿を、ユーモアいっぱいに描く。(磯部正和)
映画『滝を見にいく』は新宿武蔵野館ほかにて上映中 全国順次公開