吉永小百合&二宮和也、初共演で親子に!来年12月公開山田洋次監督新作で
女優の吉永小百合と嵐の二宮和也が、来年12月公開の山田洋次監督最新作『母と暮せば』で初共演し、親子を演じることが17日に明らかになった。この日、吉永は都内ホテルで行われた製作発表記者会見で「また山田学校に帰ってくることができて、とてもうれしく思っております。二宮さんと親子ということで、全国の二宮さんのファンからにらまれそうな気もしているんですが、すてきな親子になれればいいなと思います」と冗談交じりで決意を語った。会見には、二宮和也、黒木華、山田洋次監督も出席した。
劇作家・井上ひさしさんのヒロシマをテーマにした戯曲「父と暮せば」は、黒木和雄監督によって映画化されているが、晩年の井上さんは長崎と沖縄をテーマにした「戦後命の三部作」ともいうべき三作品に取り組んでいた。本作は、井上さんの遺志を継いだ山田が、「ナガサキ」をテーマに、『父と暮せば』を手本にして脚本を書き上げたもので、山田は「生涯で一番大事な作品を作ろうという気持ちでおります。まだ準備の段階ですが、スタッフも1年かけて準備しております。クランクインは先ですが、いい作品を仕上げなければ、井上さんにも、長崎の皆さんにも申し訳ない。頑張ってやり遂げようと思っております」と強い思いを語った。
終戦から70年となる2015年に公開される同作は、1948年8月9日の長崎から物語がスタートする。吉永演じる助産師の伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二(二宮)が突然現れ、その日から伸子と浩二の奇妙だが幸せな時間が始まる。医大生であった浩二には、かつて町子(黒木華)という恋人がいた。しかし、この世から去った存在にも関わらず、浩二は「町子に好きな人が現れたら、あの子のことを諦めるしかないのよ」という母の言葉を受け入れることができない……。クランクインは2015年春。秋に完成し、12月に公開される。
吉永との初共演に緊張した面持ちの二宮は、「ここに座っている意味、呼ばれた意味を問いかけながら、監督の指導のもと、吉永さんからもいろいろなものを吸収したい」と意気込んだ。さらに、「僕自身も(嵐ではなく)一人で、映画に出るのは何回かあるけれど、それとは違う形になると思っている。僕の方こそ全国の吉永さんファンに睨まれないように頑張りたいと思います」と抱負を述べた。
『母べえ』『おとうと』に続いての山田組参加となる吉永は、戦後70年という年に公開されることについて、「これは個人的な意見ですが、『戦後何年』という言い方が続いてほしい。そういう中で、この作品に出演できるのは意味があることだと思います」と感慨深い様子。二宮は、「僕は30代だけど、この世代は、文字とか、紙、教科書でしか戦争を知ることができない。来年(戦後)70年になるが、僕自身、僕の世代や下の世代、僕を応援してくれる人たちが作品に触れてくれることで、戦争を風化させないようにするのが使命かなと思っています」とその思いを明かした。(取材・文:壬生智裕)
映画『母と暮せば』は2015年12月12日より全国公開