二階堂ふみと長谷川博己の撮影現場に潜入!『この国の空』の世界が明らかに
二階堂ふみと長谷川博己が共演している来年公開の映画『この国の空』の撮影現場が報道陣に公開され、二人の現場での様子や荒井晴彦監督の考えが明らかになった。
『共喰い』などの脚本家・荒井晴彦が『身も心も』以来17年ぶりにメガホンを取り、芥川賞作家・高井有一の同名小説を映画化した本作。終戦間近の東京を舞台に、19歳の里子(二階堂)が隣人・市毛(長谷川)と触れ合ううちに女に目覚めていくさまを描く。
東映京都撮影所で10月某日に行われたのは、里子の母役の工藤夕貴らも交えて食卓を囲むシーンなどの撮影。長谷川は白の麻のスーツ姿で専門用語が含まれたセリフと格闘しながら、本番ではより一層の集中を見せ、二階堂はセリフに合わせて少しうつむくなど顔の角度まで細かく意識している様子で風格を感じさせた。
組まれたセットは水や電気などのライフラインが通れば実際に生活できると思うほど細部にまで演出が施され、里子と市毛が住むそれぞれの家の庭には防空壕も作られた。また、丙種により徴兵を免除され、妻子を疎開させて一人で生活している市毛の家と、竹製の柵を挟んだだけの里子の家の距離感は、二人の微妙な関係の距離感そのままのようで色気が漂う。
30年前に原作を読んで映画化を熱望した荒井監督が最も惹(ひ)かれたのは「戦争が終わって良かったと思わない女の子がいた」こと。「大きな戦争が終わって、非常に個人的な戦争が始まるんだよ、ということが、何か伝わればいいな」とこだわりのフィルムで撮影した本作への思いを語った。終戦70周年記念作品として2015年に公開される。(編集部・小松芙未)