テリー・ギリアム新作『ゼロの未来』5月公開!『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』に続く近未来物
鬼才テリー・ギリアム監督の新作『The Zero Theorem』の邦題が『ゼロの未来』に決まり、2015年5月16日より日本公開されることがわかった。本作は、ギリアム監督作の中でも人気の高い『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』に続く近未来物で、人間の存在意義と生きる目的をうたいあげるヒューマンドラマだ。
舞台は、コンピューターに支配された近未来。世間になじめない天才コンピューター技師コーエンは、荒廃した教会に一人こもり、謎の数式「ゼロの定理」の解明と人生の目的を知るため、ある電話を待ち続ける。ある日、パーティーに連れ出されたコーエンは魅力的な女性ベインスリーと出会い、その強引さに戸惑いつつも次第に惹(ひ)かれていく。また同じころ、同じくコンピューターの天才であるボブとも交流が始まる。閉ざされた世界で恋を知ったコーエンは生きる意味を知るが……。
主人公コーエンを演じたのは、『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ 繋がれざる者』で2度のアカデミー賞に輝いたクリストフ・ヴァルツ。彼の前に現れるベインスリーには『海の上のピアニスト』のフランス人女優メラニー・ティエリー、ボブにはウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』『グランド・ブダペスト・ホテル』などに起用された若手ルーカス・ヘッジズがふんしている。
『未来世紀ブラジル』で当時の世界を描こうとしたというギリアム監督は、本作についても「われわれが今住んでいる世界の一端だ」とコメント。「正直で、ファニーで、美しくて、スマートで、驚きに満ちた映画を作ろうと試みた。複雑な現代に生きる男が、彼の人生の意味を問うシンプルな映画を。避けられない人間関係や愛への渇望、満ち足りた魅惑的なキャラクター、そして意味深く賢くウイットに富んだ脚本が、簡単に答えが出ない疑問を提起するのだ」と作品のコンセプトを明かし、「皆さんが最近目にする映画とは異なる作品であればと思う」と希望を語っている。(編集部・市川遥)
映画『ゼロの未来』は2015年5月16日よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館ほかにて公開