橋口亮輔監督の新作が来秋公開決定!リリー・フランキーと7年ぶりに再タッグ
『ぐるりのこと。』などで知られる橋口亮輔監督の新作『恋人たち』が、来秋公開されることが決定し、リリー・フランキーが7年ぶりに橋口作品に出演することが明らかになった。
映画『恋人たち』は、通り魔殺人事件によって妻を亡くした男アツシをはじめ、自分に無関心な夫とそりが合わない義母と暮らす主婦、同性愛者のエリート弁護士ら、ワケありの男女3人を主人公にした物語。橋口監督の前作『ゼンタイ』にも出演した篠原篤は橋口監督から「アツシは僕です」と言われたといい、アツシは橋口監督の分身とも言うべきキャラクターとなっているようだ。
また、『ぐるりのこと。』で俳優としてブレイク、転機を迎えたリリー・フランキーが7年ぶりに橋口作品に出演を果たし、「橋口監督の水準はとても高く、また、監督自身の私小説的なところもあるので、監督からOKの声を聞いたあとでも『監督の思いに近づけているだろうか?』と思ってしまう」とコメント。久々に“橋口イズム”を目の当たりにした心中を明かした。
かつて田辺誠一主演の『ハッシュ!』から『ぐるりのこと。』まで7年のブランクがあった橋口監督は、「『ぐるりのこと。』の後、すごくいろんなことがあって。自分の中にあるものを出して脚本を書くことが怖かったが、書かない方が苦しくなって書き上げた」と葛藤のすえに新作に着手した経緯を説明。さらに、「書き終えて、初めて自分のセリフが書けたような気がした。今までで一番いい脚本だと思う」と自信を見せた。
「地味でもまっすぐに、真面目に生きていても理不尽な目に遭ってしまう」、そんな想いを抱えて生きている人々にささげたいという監督の真摯(しんし)なメッセージが込められた本作は、生きづらい現代日本の世相に一石を投じる力作となりそうだ。(編集部・石井百合子)
映画『恋人たち』は2015年秋、テアトル新宿ほかで公開