こんなシャーロック・ホームズもあり!?現代版ホームズがウケるワケ

　ベネディクト・カンバーバッチが大ブレイクを果たした「SHERLOCK（シャーロック）」、そして舞台をニューヨークに移した「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」と、現代版シャーロック・ホームズが立て続けにヒットしている。その理由を探ってみた。

　その二つの作品がウケた理由としては、キャラクターの個性を際立たせたことが大きいだろう。「SHERLOCK（シャーロック）」のホームズは、背が高く巻き毛で痩せ型のイケメン、パイプを持つ代わりにニコチンパッチを貼っている。また、「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」のホームズ（ジョニー・リー・ミラー）は、元薬物依存症でニューヨークのリハビリ施設を出たばかり。無精ひげに肩や腕にタトゥーと、誰もが抱くホームズ像を大胆に覆すスタイル。このミラーのホームズについて、友人でもあるカンバーバッチがその演技を絶賛したことも話題になった。

　さらに、「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」では、ホームズの相棒ワトソンを、女性にしたことも驚きだ。ワトソン役のルーシー・リューも、「ワトソンを女性にするなんてショッキングなことだったと思う」と言うように、熱狂的なファン（シャーロキアン）もいるこの作品で、名コンビであるホームズ＆ワトソンを男女にするなんて前代未聞のこと。しかし、このチャレンジは吉と出て、ホームズと女性ワトソンの名コンビぶりが、人気の一助となった。

　また、現代のイギリスとアメリカを舞台にした2作品は、共に原作の設定を斬新に変えながらも、ホームズが鮮やかな推理で事件を解決に導くプロセスに重点を置いていることも高評価を得ている。特に「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」は各エピソード60分のなかで、緻密な謎解きとアメリカのドラマらしいスピーディーさで物語が展開し、さらに人格的欠陥があるホームズと、ワトソンが互いに成長していく過程もシーズンを通して視聴者を飽きさせない吸引力を持っている。

　「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」は2012年から2013年における新作視聴率ランキング第1位（米ニールセン調査）に選ばれ、アメリカではシーズン3を放送中。日本でも「SHERLOCK（シャーロック）」に続くブームが巻き起こりそうだ。（岩永めぐみ）

ドラマ「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」はスーパー!ドラマTVにて1月15日（木）22:00より放送　［二カ国語版］毎週木曜22:00～ ［字幕版］毎週木曜24:00～ほか