リドリー史上最大製作費を掛けた映画『エクソダス:神と王』の超スゴ映像とは!?
映画史に残る傑作の数々を世に送り出してきた巨匠リドリー・スコットが、自身の作品として過去最高の1億4,000万ドル(約154億円)を投じた歴史スペクタクル巨編『エクソダス:神と王』。最新の視覚効果と3D技術を堪能できる本作の超絶映像のスゴさに迫った。(1ドル110円計算)
スコット監督といえば、『エイリアン』や『ブレードランナー』で作り上げられた圧倒的な世界観、そしてアカデミー賞作品賞に輝いた歴史大作『グラディエーター』での迫力あふれる戦闘シーンなど、「映像の魔術師」の異名を誇る名監督。
旧約聖書につづられたモーゼの英雄たんを映画化した本作では、モーゼがリーダーとしての資質を見せるオープニングの戦闘シーンから、そのスピード感と臨場感で観る者を一気に引き込み興奮させる。土ぼこりを上げ疾駆する馬のひづめから、鬼気迫る兵士の表情に寄り、古代エジプトの雄大な光景を俯瞰(ふかん)で映し出していくカメラワークに、胸が高鳴らずにはいられない。
また、苦境に立たされたモーゼが目にする「10の奇跡」の場面では、荒々しく人々を襲うワニ、血に染まり魚の死体で埋め尽くされたナイル川、街を覆い尽くすカエル、イナゴ……といった、エジプト全土に悪夢が襲い掛かるさまを、スコット監督ならではの手腕がさく裂した圧倒的スケールで描いている。
だが、やはり最大の見どころは、紅海を渡るクライマックス。追い詰められたモーゼを前に潮が引き、道を開く海。しかし、彼らを追うエジプト軍には、その海が一瞬にして脅威となり、襲い掛かる……。まさしく奇跡が起きたと思わせる、ダイナミックな画(え)は圧巻の一言に尽きる。
往年の映画ファンには、かつて名匠セシル・B・デミルが手掛けたチャールトン・ヘストンの『十戒』の海割れが有名だが、スコット監督が手掛けたこのクライマックスは、新たな名シーンとして語り継がれることだろう。葛藤を抱えながらも信念を貫こうとするモーゼの感動のドラマと、細部にまでこだわり抜かれた映像美。スコット監督史上、最大規模の予算&スタッフで実現した本作は、記憶に残る映像体験となるに違いない。(文:京ふみか)
映画『エクソダス:神と王』は1月30日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開