ももクロと目指す「完全なアイドル映画」とは!『踊る』本広監督、新作に懸ける思い
人気アイドルグループ、ももいろクローバーZ主演の青春映画『幕が上がる』(2015年2月28日公開)でメガホンを取った『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が、本作に懸ける思いを静岡県内で行われた撮影現場で語った。
劇作家・平田オリザの同名小説を原作に、高校の弱小演劇部のメンバーたちが、年に一度の大会突破を目指して青春を懸ける姿を描く本作。映画だけでなく舞台版も製作され、ももクロのメンバー(玉井詩織、高城れに、佐々木彩夏、百田夏菜子、有安杏果)が両バージョンで主演を務める。
そんな本作について本広監督は、「完全なるアイドル映画」をイメージしていると告白。「最近のアイドル映画は、相当手を抜いて作られている」と苦言を呈しながら、アイドル映画の名手として数々の傑作を手掛けた大林宣彦監督のもとを訪ねたことを明かし、「『時かけ』(『時をかける少女』)のラストはどうやって撮ったんですか? って聞きました」と笑顔を見せる。
「1980年代ごろのアイドル映画って、すごく骨太じゃないですか。そこを狙いたい。アイドル映画はヒットしないじゃなくて、アイドル映画だって本気を出せばここまでやれるってことを見せる」という本広監督の目は真剣そのもの。ももクロ側もその熱意に応えるように、多忙の合間を縫って、1か月ものスケジュールを捻出してくれたという。
全力のパフォーマスで知られる一方で、演技経験が豊富なわけではないももクロだが、本広監督は「ポテンシャルが高い」と大満足。「振り付けの稽古を見たら、先生のやったものを瞬時に取り込んでいくんです。あの早さが演技力をまかなっているんだなと。かなり良い女優だと思います」と称賛し、「みんなテレビっぽい映画を好まれるのでそういう作風だったのですが、この夏は映画を作ろうと。芝居が強いので、違和感なく楽しめると思います」と自信をみなぎらせている。原田知世や薬師丸ひろ子など、かつて大林映画に主演した女優たちのような輝きをももクロも見せるのか、期待が高まる。(編集部・入倉功一)
映画『幕が上がる』は2015年2月28日より全国公開