深海魚のごとく魅力を発揮!?若手実力派・中村倫也とは
名門オーケストラの再起を描く映画『マエストロ!』でティンパニストを演じた若手実力派俳優の中村倫也が、撮影秘話や仕事への意欲を語った。
本作は、不景気のあおりを受けて解散したオーケストラの再起を、若きコンサートマスターと突然現れた謎の指揮者を中心につづる感動ドラマ。「話を頂いたときは、もっとドタバタした物語と思っていた」という中村。ところが主演・松坂桃李に、オーケストラのメンバーとして古舘寛治、嶋田久作、モロ師岡ら個性的な顔ぶれが集まり、「映画らしい空気をまとった作品になると思って楽しみになりました」と振り返る。もっとも、俳優全員にプロの音楽家並みの演奏が求められ、中村も「小学校の授業以来」というティンパニの練習には演技以上に苦労したようだ。
だが、本作では憧れの西田敏行との共演も果たせた。「西田さんの自由なたたずまいがステキで、そんな感じでお芝居をするのはすごく準備して臨んでいるからなのか。それとも経験があるからできることなのかと思っていて。今回はそれを近くで見ることができました。特に、最後のコンサートシーンでは指揮をする西田さんの熱量に負けてはいけない。同じ波に乗って演じなくてはと頑張りました。瞬間のライブ感を一緒に出せた気がしています」。
現在28歳。昨年はNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」に始まって、「アオイホノオ」「ファーストクラス」など話題作に出演。硬軟取り混ぜ、さまざまなキャラクターを変幻自在に演じ、一躍注目を浴びた。2015年は春スタートの連続ドラマなど、いよいよ飛躍の年になりそう。
「食いっぱぐれない俳優を目指す」という中村。深海魚が好きで自宅にはアフリカ産のポリプテルスを飼っているとか。海底でその力を潜めてきた深海魚のごとく、いよいよその魅力発揮するか!?(取材・文:前田かおり)
映画『マエストロ!』は1月31日より全国公開