無名からの出発!ハリウッドを拠点に活躍する俳優・尾崎英二郎「思いを現実にする力」
ハリウッドを拠点に活躍する俳優・尾崎英二郎(45)が9日、東京・代官山の蔦屋書店で昨年出版した著書「思いを現実にする力」(ディスカヴァー・トゥウェンティワン刊)のトークイベントを行った。当日は進行役として、尾崎の大ファンだというフリーアナウンサーの有賀さつきが出席した。
自らの思いを熱く語る尾崎英二郎
尾崎は、NHK朝の連続小説「あぐり」でテレビデビューし、その後本格的にハリウッド進出を決意して渡米したのが38歳のとき。周囲からは心配する声もあったが、着実にキャリアを重ねており、昨年はマーベル制作のSFドラマ「エージェント・オブ・シールド」のシーズン2に出演を果たした。さらに、昨年はスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、ハル・ベリー主演のSFドラマ「エクスタント」に出演、重要な役を担う真田広之の部下役で真田と共演を果たした。
映画『ラスト サムライ 』で大勢いる侍役で出演した際に、子供の頃から憧れていた真田の演技を目の当たりにして、感銘を受けたという尾崎。「ハリウッドで仕事をしていれば、きっといつか思いを伝えることができるだろうと思い続けて11年。夢が現実になった」と感慨深げなようすを見せた。現場では台本に書かれている英語を日本語に翻訳する作業を、真田とメールなどでアイデアを出し合い、意見交換を重ねて完成させていったエピソードも披露。
一方で、「ハリウッドでは、まだまだ日本人やアジア人の良い役は少ない」と尾崎。「セリフ1行の役でも、何十人もの優秀なライバルたちと競わなければならない」と厳しい現実も語った。そうした狭き門であるオーディションに挑戦する姿勢や心構え、英語の学習法から緊張感やプレッシャーとどう向き合うかといった具体的な尾崎の方法論には、会場に集まった多くのファンも真剣に聞き入っていた。
イベント中、自らについて何度も「無名の人でもここまでやれる」と表した尾崎。非常に謙虚な姿勢が際立つ一方で、夢に向かって貪欲かつ戦略的に、すべて将来、俳優として活躍することに生かせるよう、若い頃から自らの行動を決断してきたと語る意志の強さが印象に残った。(取材・文:今祥枝)
SFドラマ「エクスタント」は、4月よりWOWOWで放送予定。同じくWOWOWで2月23日(月)に中継される第87回アカデミー賞授賞式では、今年は斎藤工とともに、レッドカーペットのレポーターを5年連続でつとめる。