有力候補が一般向きじゃない?アカデミー賞の抱える懸念とは
第87回アカデミー賞
ノミネーションの発表を控え、本来ならばアカデミー賞レースの話題で活気づくはずのハリウッド界隈だが、今年は去年に比べて静かな盛り上がりとなっており、アカデミー本部が授賞式について不安を示している。
The Hollywood Reporterが報じたところでは、アカデミー賞授賞式のPRを展開する専門会社がアカデミー本部に送った分析レポートにおいて、アカデミー賞候補とされている作品がどれもインディーズ系の芸術作品で一般大衆向きではないこと、さらに、テレビ放送される授賞式の裏番組が人気ドラマ「ウォーキング・デッド」や「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~」であることから、視聴率への影響が懸念されているという。
今年の授賞式で司会を担当するニール・パトリック・ハリスの人気度も憂慮されているようだ。アカデミー側は当初、前回の司会ぶりが好評だったエレン・デジェネレスに再登板を要請していたが、エレン側から断られたために断念。その次にクリス・ロックに司会を打診したがこちらもNG。そこで、ホストに興味を示しているとされていたニールに白羽の矢が立ったという。
しかし、ニールとエレンの知名度の差は明らか。まず、エレンが人気トークショーの司会者で、彼女の番組がアカデミー賞にとっても絶好のPR場所だったのに対し、ニールにはそういった場がない。ソーシャルメディアにおける人気を見ても、ニールのツイッターのフォロワー数は約1,280万人、エレンは約3,760万人と、その差は歴然だ。
また同サイトでは、例年は授賞式を放送するABCがメジャーネットワークのCM予算を担当するところ、今年はアカデミー側が特別にPR作戦を展開。ネットワーク以外のソーシャルメディアを含むPRに550万ドル(約6億6,000万円・1ドル120円計算)を投入すると報じており、オスカー像の行方はもちろん、授賞式の視聴率も気になるところだ。(文・取材:明美・トスト/Akemi Tosto)