C・イーストウッド新作、最高記録を次々に塗り替える大ヒットで首位に
全米ボックスオフィス考
先週末(1月16日~1月18日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、クリント・イーストウッド監督の新作映画『アメリカン・スナイパー』が、興行収入8,926万9,066ドル(約107億1,228万7,920円)で首位を獲得。同週のオープニング週末興収記録だけでなく、1月、季節(冬)の記録も塗り替える大ヒットとなった。(数字はBox Office Mojo調べ、1ドル120円計算)
同作はアメリカ軍史上最強の狙撃手と呼ばれたクリス・カイルの自叙伝を、ブラッドリー・クーパー主演で実写化したもの。現地時間15日にノミネーションが発表された第87回アカデミー賞で、作品賞を含めた6部門にノミネートされ注目を浴び、いざ全米の映画館で拡大公開されると、R指定にもかかわらず他の作品に大差をつける結果に。これにより、R指定作品のオープニング週末興収としては『マトリックス リローデッド』に次いで歴代2位となり、アカデミー賞ノミネーション発表後の伸び率では、『ゼロ・ダーク・サーティ』を抜き歴代1位に輝いた。(本作はアカデミー賞の選考基準を満たすために、昨年末に一部劇場で先行公開されていた)
2位には、興収2,064万9,306ドル(約24億7,791万6,720円)でケヴィン・ハート主演のロマンチックコメディー『ザ・ウエディング・リンガー(原題)/ The Wedding Ringer』が初登場。児童文学「くまのパディントン」を実写映画化した『パディントン(原題) / Paddington』は、興収1,896万6,676ドル(約22億7,600万1,120円)で初登場3位となった。
初登場作品が好調にスタートする中で、『ヒート』『コラテラル』などのマイケル・マン監督がサイバー犯罪をテーマにした新作クライムサスペンス『ブラックハット(原題) / Blackhat』は、興収390万1,815ドル(約4億6,821万7,800円)でギリギリ10位に入り込んだ。約7,000万ドル(約84億円)を投じて製作され、2,500館以上で封切りした大作だけに、この滑りだしは大きな痛手だ。
今週公開の作品は、ジョニー・デップ主演の『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』、ジェニファー・ロペス出演のスリラー映画『ザ・ボーイ・ネクスト・ドア(原題) / The Boy Next Door』、ジョージ・ルーカス原案のアニメ『ストレンジ・マジック(原題) / Strange Magic』など。(編集部・井本早紀)
1月16日~1月18日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(21)『アメリカン・スナイパー』
2(初)『ザ・ウエディング・リンガー(原題) / The Wedding Ringer』
3(初)『パディントン(原題) / Paddington』
4(1)『96時間/レクイエム』
5(2)『セルマ(原題) / Selma』
6(6)『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
7(3)『イントゥ・ザ・ウッズ』
8(4)『ホビット 決戦のゆくえ』
9(5)『アンブロークン(原題) / Unbroken』
10(初)『ブラックハット(原題) / Blackhat』