永瀬正敏&坂井真紀、台湾映画界の勢いを語る
台湾代表として甲子園出場を果たした高校球児の活躍を描き、台湾で歴史的メガヒットを飛ばした映画『KANO ~1931海の向こうの甲子園~』。劇中、実在の鬼監督と彼の妻を演じた永瀬正敏と坂井真紀が、近年急成長を遂げる台湾映画界の勢いを語った。
1996年公開の『ユーリ ЮЛИИ』以来の共演となった二人。「確かに久しぶりの共演ですが、坂井さんが隣にいらっしゃるだけで、すぐに夫婦になれました」と振り返る永瀬に対し、坂井も「永瀬さんが常に近藤監督でいらして、現場の雰囲気を作られていたことに助けられました」と互いの存在をリスペクトしていた。
また、本格的な試合シーンを再現するため、野球経験を重視した台湾人を中心に集められた球児役の若手俳優に関して、「みんなとてもシャイで、かわいかった」と笑顔を見せる坂井。そこで永瀬が「実は、みんな携帯で坂井さんと一緒に写真を撮りたいんだけど、シャイだからずっとモジモジしていたんですよ」と暴露する一コマも。
1990年代初頭、アジア各地で撮影を敢行した『アジアン・ビート』シリーズに主演した永瀬。「当時の台湾には第2次ニューウェーブが起こり、その雰囲気やエネルギーを感じて日本に戻ってきたのを覚えています。その後、韓国映画などに押され、ちょっと元気がなくなりましたが、数年前から一気に盛り上がってきたタイミングでまた呼んでもらえたのは不思議な縁を感じます」と語る一方で、「今回は前回と作品の規模が違いました」とも。
それもそのはず。劇中では日本統治下当時の街や船だけでなく、クライマックスの舞台となる甲子園球場まで、見事なセットで再現されているのである。初の海外映画への出演となった坂井も同様で、「これまでにない経験ができたと同時に、『自分は今、台湾の現場で俳優をやれている』という感動がこみ上げてきました」と自身の女優人生の転機になったと語った。
30年以上俳優業を続けてきた永瀬も、本作では日本人初となる金馬奨(台湾のアカデミー賞)主演男優賞候補に。二人のベテラン俳優の転機となり、野球文化はもちろん、国境や言語を超え、アジア全土で話題を呼んだ超大作が、日本でも多くの涙と感動をもたらすのは間違いないだろう。(くれい響)
映画『KANO ~1931海の向こうの甲子園~』は公開中