「ムーミン」前身は耳なし鼻長のスノーク!
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』(2月13日公開)の原作者でムーミンの生みの親トーベ・ヤンソンらが寄贈したイラストなどを収蔵するフィンランド・タンペレ市のムーミン谷博物館で、ムーミンの前身とされるスノークが初めて公の場に姿を見せたイラストの原画を発見した。
昨年9月、ムーミン谷博物館では「冒険、そしてムーミン谷へ」というテーマの展示が行われていた。1番目に登場する作品が、1930年代初めにトーベさんが初めて公に描いたとされるムーミン画だ。ムーミンの原点ともいえる同作品は、雑誌ガルムに掲載されたモノクロの風刺画で、下腹に「SNORK」と書かれたキャラクターが向かって左側に描かれている。
耳がなく、鼻の長~いスノークは、愛らしく丸みを帯びた現在のムーミンとはまるで別のキャラクターのようで、「えっ!? これがムーミン?」と驚く人もいるだろう。長年描き続けたことでタッチがより表現豊かに変化し、現在親しまれているムーミンが誕生した。
何もない白い紙に生命が宿り、黒のインクだけで臨場感あふれる絵が生み出されることの感動もさることながら、同展には門外不出の貴重なカラー原画や3年の歳月をかけて作り上げた高さ2メートル以上の立体作品・ムーミン屋敷なども展示されていた。母国で初めて製作された長編手描きアニメーション『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は、幅広い作品を手掛けた原作者に敬意を表した温かみのある作品となっている。(編集部・小松芙未)
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は2月13日より全国公開