作家ハーパー・リーの「アラバマ物語」続編が前作から55年ぶりに出版!
ピューリッツァー賞を受賞した「アラバマ物語」の原作者ハーパー・リーが、同作の続編を出版することを発表した。The Hollwood Reporterや複数のメディアが報じている。
これは、出版会社ハーパー・コリンズのもと7月14日に出版される予定の304ページの作品。その続編のタイトルは「ゴー・セット・ア・ウォッチマン」。今作は、もともとハーパー・リーが小説「アラバマ物語」を執筆する前の1950年代の半ばに手掛けたもので、「アラバマ物語」の主人公だった弁護士アティカス・フィンチの娘であるスカウトを主人公に、彼女が大人になった設定で描いたもの。だが、「スカウトが幼少期を回想する場面に刺激を受けた当時の編集担当者から、子供のときのスカウトの視点で小説を書くように勧められた(これが後の「アラバマ物語」)。わたしは当時新人作家だったからそうした」とハーパー・リーは答えている。
「ゴー・セット・ア・ウォッチマン」は、長らく原稿が紛失したものと思われていたが、昨年の秋に発見され、今回の出版の経緯に至ったようだ。前作の「アラバマ物語」は、大恐慌時代の米国南部の人種差別を描いたもので、1962年に映画化され、グレゴリー・ペックの主演男優賞を含めアカデミー賞3部門を獲得していた。
前作から55年ぶりにその続編が出版されることはまれで、どのような作品なのか読んでみたいものだ。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)