平田満、幻の主演作公開に感無量!
俳優の平田満が14日、都内にて行われた、映画『モーニングセット、牛乳、春』舞台あいさつに、石井明日香、川瀬陽太、サトウトシキ監督と共に登壇した。平田は、幻の作品ともいえる本作の上映を喜ぶと共に、昨年9月に亡くなった共演者の伊藤猛さんを偲んだ。
本作は、冴えない中年男性・佐々木(平田)が、幼馴染・岡部(伊藤)の死と、若い娘・春(水本佳奈子)との出会いをきっかけに、忘れていた情熱にもう一度手を伸ばそうともがく姿を描いた、愛と後悔の青春ファンタジー。2013年に都内でのイベント上映と数か所での地方公演を行っただけの本作は、伊藤さんを追悼して上映されると再び注目が集まり、この度、改めて公開される運びとなった。
平田は「一昨年、(都内で)1日だけやった幻の映画が、無事に普通の公開ができるようになって本当にうれしく思っています」と感無量の様子。サトウ監督も「皆さんに観ていただいて初めて映画になると思うので、そういった意味では、やっと公開にこぎつけたということは映画になってくれるのではないかと思っています」と監督冥利に尽きるといった様子。
亡くなった伊藤さんについて話が及ぶと、「病気が撮影前に見つかったみたいで、(撮影中は)僕らに隠していた」とサトウ監督。しかし、病気のことを伊藤さんは助監督にだけ話していたそうで、サトウ監督は「助監督の様子がおかしいと感じたから、最後のリテイクのときに問い詰めた」と、病気について知った当時の様子を語った。
平田は本作の顔合わせの時に初めて伊藤さんと会ったと言い、「旧知の友人に会ったようで初めての感じがしませんでした。この人とはとても相性がいいなと思って、是非次も何かでやりたいなと思っていたのでとても残念です」と悔しそうに語った。しかし、「映画で、しかも親友というとても思い入れのある間柄で共演できて、とてもうれしく思っています。伊藤さんもうれしく思ってくださっていればいいなと思っています」と、旧友を偲ぶ面持ちで、しみじみと語った。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『モーニングセット、牛乳、春』はポレポレ東中野ほかにて公開中