ルイ・ジュールダンさん死去 『007』敵役や『ボヴァリー夫人』など
映画『007/オクトパシー』で悪役カマル・カーンを演じ、『ボヴァリー夫人』『白鳥』などに出演したフランス人俳優ルイ・ジュールダンさんが、現地時間14日にビバリーヒルズの自宅で老衰のため亡くなったことがわかった。93歳だった。Le Pointほか複数のメディアが報じた。
1921年にマルセイユで生まれ、1939年に映画俳優としてのキャリアをスタートさせたルイさんは、1947年にアルフレッド・ヒッチコック監督の『パラダイン夫人の恋』でハリウッドデビュー。その後活動の場を世界各国に広げ、フランス、アメリカのほかイギリス、イタリアなどで活躍した。また彼が出演したミュージカル映画『恋の手ほどき』(1958)は、第31回アカデミー賞で作品賞ほか計9冠に輝いている。
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムには、「テレビ部門」「レコーディング部門」で彼の星が飾られており、2010年にはレジオンドヌール勲章を受章。私生活では、ベルト・フレデリックさんと1944年に結婚し、その後60年間離婚することなく、ベルトさんが昨年亡くなるまで添い遂げた。また息子は1981年にドラッグの過剰摂取で亡くなっている。
彼の友人であり、伝記作者でもあったオリビエ・ミンヌはVarietyに、「彼はハリウッドの黄金期を象徴する最後のフランス人でした。彼はたくさんの素晴らしい俳優や監督たちと仕事をしました」と語っている。(編集部・井本早紀)