中村獅童、坂東三津五郎さんの死に悲痛…
歌舞伎俳優の中村獅童が24日、都内で行われた映画『振り子』東京凱旋試写会の舞台あいさつに出席し、すい臓がんのため21日に亡くなった10代目坂東三津五郎さんの死に、「まだ気軽にコメントできる気持ちではないですけど、ただただ言えることはみんなで力を合わせて、歌舞伎界を盛り上げていって、自分自身もいい役者になって精進していくのが最大の恩返しになると思います」と悲痛な胸の内を語った。
さらに、1月13日に入籍の報告とあいさつをしたという獅童は、「そのときはすごくお元気そうで、笑顔で喜んでくださって。弱っている姿は僕自身見たことがなかったので。非常に残念です」と思い出を振り返った。
同作は、全世界で再生回数300万回以上を記録したお笑い芸人・鉄拳の動画の映画化。大介とサキの夫婦を主人公に、昭和から平成にかけ経営する店の倒産やサキの病といったさまざまな苦難に向き合う絆をつづる。この日は獅童と夫婦を演じた小西真奈美、竹永典弘監督も出席した。
原作も大好きで観たときにいろいろと考えさせられたという中村は、オファーが来たときを振り返り、「母が亡くなってすぐで、何ともいえないタイミングですよね。亡くなった後は一緒に過ごした時間も考えますし、そうした中で時間がテーマの作品だったので考えるところはありました」と当時の心境を明かした。
演じた大介には「久しぶりに映画では普通の青年役だったので、とにかく自然でいられるようにしたつもりです」と振り返り、「どうしようもないけど支えてくれる妻がいて、具合が悪くなって初めてその存在の大きさに気付かされるわけです。なかなか日頃忘れがちなことは人間誰しもあると思うんですけど、そういうところが胸に迫るし、感じるところがあるのかなと思います」と話した。
さらに先月末に入籍したばかりの獅童は、作品中の夫婦関係について聞かれると「最高だと思います」と共感を寄せ、「生きているといろんなことがあるのかもしれないけど、その気持ちを共有するのが家族だと思います。いいことがあったときに大介が帰って来てみんなでバンザイってやるシーンは好きで、いつも一緒に道を歩んでいくのが家族っていいなと思います」と思いを語った。(中村好伸)
映画『振り子』は2月28日より公開