不登校は「生きたい!」という子供の叫び!『サムライフ』原作者が熱弁
元高校教師が社会に適応できない人々を支援する学校の設立に悪戦苦闘する姿を描いた映画『サムライフ』のトークイベントが25日、都内・銀座NAGANOで行われ、原作者の長岡秀貴が出席した。映画について長岡は、「全国にはわれわれの気付かないところで、苦しんでいる若者たちがたくさんいる。映画の力で、そういった教育の現状をより多くの方に知っていただけたら」と本作に託した思いを語った。
三浦貴大ふんする主人公ナガオカのモデルとなった長岡は、地元の長野県上田市で、ひきこもりやニートなど、社会に参加できず苦しむ若者たちを支援する「認定NPO法人 侍学園スクオーラ・今人」を設立。現在は、学校運営はもとより、総合病院の小児科で心理相談室を開設したり、教育の講演を行ったり、精力的に活動を行っている。
学校設立に情熱を燃やしていた当時を振り返った長岡は、「子供たちにとっては学校が全て。大人のようにいろんな道を選択することも、エスケープすることもできない。学校にマッチできず、不登校になってしまったのは、行き場を無くした子供たちの『生きたい!』という心の叫び。だから僕は、彼らのために自分で学校を作るしかないと思った」と胸の内を明かした。
さらに、「物事をトレースし、アレンジしていくのが日本人特有の気質。フリースクールなどの風潮としてある『自由に思いのままに』という教育は少し乱暴かなと思いました。だから僕は、卒業しても自分の力で生きていけるよう、あえて型にはめた教育でフレームづくりをしてあげています」と持論を展開した。
また今回、自身の半生が映画化されたことについて長岡は、謙遜しながら、「ちょっとソワソワしていますが、うれしいこと。原作本も売れていなかったのに、映画化されるなんて奇跡中の奇跡です。映画の中で映し出されているのは10年前の僕ら。お金も、コネも、経験もなかったけれど、人の笑顔だけは作りたい、人を幸せにしたい、という思いだけで、猛烈に突っ走っているバカな男と、それにだまされて付いていく若者たちの熱い群像劇になっているので、何かを感じていただけるはず」と笑顔を見せた。(取材:坂田正樹)
映画『サムライフ』は2月28日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開