樹木希林×市原悦子 役者歴50年以上の大女優が初共演
女優の樹木希林と市原悦子が、河瀬直美監督最新作『あん』で初共演を果たすことが明らかになった。樹木は1961年に文学座に入り女優活動をスタート、市原は1957年に舞台「りこうなお嫁さん」でデビュー。今回の共演は樹木の提案が実現したもので、50年以上の役者人生を歩んできた大女優二人が、本作で親友を演じる。
ドリアン助川の同名著書を基にした本作は、小さなどら焼き屋を舞台に、元ハンセン病患者の老女・徳江(樹木)と周囲の人々が「人生」を問いかける魂の物語。河瀬監督作初出演となる市原は、徳江が暮らす療養所内の喫茶店で働く親友・佳子を温かく丁寧に表現している。
樹木との初共演を振り返った市原は、「楽しかったです。お互いに50年以上役者の仕事をしてきたのにこれまで一度もご一緒しませんでした。希林さんは年を経たこと、またお体の具合も万全ではないことが、より魅力的にしているのかなと感じました。撮影を待つ間も楽しかったです」と樹木の魅力を語った。
さらに、自身の役どころについて「とことん疎外されて生きてきた女性なのに、あの優しさはどこから来るのか考えました。あこがれる女性像です」と説明する市原。初参加となった河瀬組については、「自然との共生について、監督は地に根を張っていらっしゃると感じました。そして、優しく、竹のようにしなやかな女性の力が心強かったです」と話していた。(編集部・吉田唯)
映画『あん』は6月全国公開