ナチスから逃れたった一人で生き抜いた8歳のユダヤ人少年の実話…8月日本公開
ナチスドイツの手から逃れた8歳のユダヤ人少年が、たった一人で森に潜み、食べ物を求めて農村を渡り歩きながら3年もの月日を生き抜いた実話を基にした感動作『Run Boy Run』の邦題が『ふたつの名前を持つ少年』に決まり、8月より日本公開されることがわかった。
ポーランドのユダヤ人強制住居区から脱走し、一人でも生き延びられるよう“ポーランド人孤児ユレク”としての架空の身の上話を覚えて農村を一軒ずつ訪ね歩く少年スルリックを主人公にした本作。優しい家族に受け入れられつかの間の平穏をつかみかけても、ユダヤ人であることがばれて追い立てられるように次の場所へと逃げるスルリックが、生き別れになった父との約束を胸に懸命に生きる姿を追う。
原作は自身もユダヤ人強制収容所や隠れ家生活の体験者である児童文学作家ウーリー・オルレブの「走れ、走って逃げろ」(岩波書店)で、監督は『ブラック・ライダー(英題) / Black Rider』が第66回アカデミー賞短編実写映画賞に輝いたペペ・ダンカート。主人公スルリックは、アンジェイとカミルの双子の兄弟が愛らしい笑顔で演じている。終戦、そしてアウシュビッツ解放から70年の今年公開される本作に注目したい。(編集部・市川遥)
映画『ふたつの名前を持つ少年』は8月ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開