ジブリ米林監督、宮崎吾朗監督は「ライバルというより仲間」
7日、三鷹の森ジブリ美術館が厳選する世界のアニメーションを上映してきたイベント「アニメーション古今東西」が三鷹市芸術文化センターで行われ、映画『思い出のマーニー』の米林宏昌監督が登壇。宮崎駿監督の長編映画からの引退後、共に次世代のスタジオジブリを背負って立つ宮崎吾朗監督について語った。
観客からの質問を受け付けた米林監督は、吾朗監督との関係について聞かれると「ライバル……というふうに思ったことはないですね。それは悪い意味じゃないですよ。仲間みたいな感じ。吾朗さんの作品にはスタッフの一員として関わっていますし」と回答。監督作『借りぐらしのアリエッティ』が第34回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した米林監督は、翌年の、吾朗監督の『コクリコ坂から』が同賞に輝いた際の授賞式にも参加しており、「(受賞作品が書かれた)封書を開ける役だったけど、本当にうれしかったですからね」と笑顔で振り返った。
「映画を作るっていう大変さもすごくわかるし、尊敬する部分もあります。タフなんですよね、吾朗さんという人は」と続け、困難な状況からでもはい上がって作品を作り上げていく吾朗監督の姿勢に感銘を受けていると語った米林監督。『コクリコ坂から』が短いカットを積み重ねていくテンポのいい作品だったことを挙げ、「前作『アリエッティ』は1カット1カットが長かった。『マーニー』ではカットを短かく作っていこうかなと思ったのは、『コクリコ坂』を観た後だったからかもしれないですね」と吾朗監督から影響を受けた部分を明かした。
そんな関係について米林監督は「ジブリというのは1本やって、次の1本をやる。宮崎(駿)さんもそうですよね。高畑(勲)さんの作品を観ながら考えたり……。そういう交互にやっていくというのはいい環境だと思いますね」と分析していた。(編集部・市川遥)
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