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ヴィム・ヴェンダース監督、神の目を持った写真家セバスチャン・サルガドを描いた映画を語る

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新作『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』について語ったジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督とヴィム・ヴェンダース監督
新作『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』について語ったジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督とヴィム・ヴェンダース監督

 ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、新作『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』について、セバスチャンの息子で共同監督のジュリアーノ・リベイロ・サルガドと共に語った。

ヴィム・ヴェンダース監督、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』

 本作は、40年間世界中を飛び回り、国際紛争、飢餓、人間の生活を追ってきた写真家セバスチャン・サルガドが、新たに地球の美を捉える壮大なプロジェクトを企画し、息子ジュリアーノとヴェンダース監督と共に野生の動物や未開の土地を映し出していく様子を、彼の過去の写真集と交錯させながらつづったドキュメンタリー。

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 ヴェンダース監督は当初、製作に戸惑っていたそうだ。「もし、セバスチャンと知人関係ではなく、彼の写真映像がまるで語り手のようなものだと感じたりしなければ、僕は厚かましく写真家について映画製作しようとは思わなかった」と語ると、ジュリアーノは製作意図について「僕らは最初から写真家を描いた映画を製作するつもりはなかった。父は、過去に地球で起きたことの重要な目撃者で、さまざまなことを人に継承する必要がある。彼の写真は展示会やメディア、写真集などで見ることができるが、誰も父が見た真のストーリーを知らない。だから、そんな父の作品を家族以外の多くの人と共有したかった」と明かした。

 ヴェンダース監督はセバスチャンの人間性に惹(ひ)かれた。「彼は、どんな場所に居ても人類の一部となって物事を目撃する不思議な能力を持っている。彼の作品には、撮影対象への共感や没頭という、他の写真家にはないものがある。彼は時間をかけて準備をし、すぐに撮影をせずに、訪れた場所でローカルの人々と共に住んだり、同じ食事を口にしたりした。さらに、何度もその土地を訪れ、友人になることもあった。そのため、この映画を製作する上で、僕も彼と同じことをしなければならないと思った」とヴェンダース監督は彼の熱意をくみ取ったようだ。

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 セバスチャンにとってパートナーで妻でもあるレリアも本作に登場する。ヴェンダース監督は「彼女を本作に出演させるのは大変だった。彼女はセバスチャンの写真集の原動力で、リサーチも共にしていたが、 いつも舞台裏で支えて陰に隠れていた。だが、ジュリアーノの説得で出演してくれた。最終的に彼女の存在が重要であることがわかるはずだ」と語った。

 映画では、神の目で捉えた究極の写真映像が、人間と地球の根源に迫っていく。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

映画『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』は2015年夏全国公開

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