佐々木蔵之介、1年間を駆け抜けた娘・涼子を「誇りに思う」
女優の藤野涼子が11日、新宿ピカデリーで行われた映画『ソロモンの偽証 後篇・裁判』の初日舞台あいさつに出席し、佐々木蔵之介、夏川結衣という両親役の俳優たちから「誇りに思う」とねぎらいの言葉を贈られた。この日は板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、そして成島出監督も登壇した。
ある中学校で起きた不可解な生徒死亡事件と、その真相を暴こうする女子生徒が開く学校内裁判を描いた宮部みゆきのミステリー巨編の実写化作品後編がいよいよ公開。満員の劇場を見渡した藤野は、「後編はどうでしたでしょうか?」と恐る恐る尋ねると、大きな拍手が。藤野は「すごく緊張しているんですが、よかったです」と安堵(あんど)の表情を見せた。
およそ1年前、1万人もの候補者の中からオーディションで選出された中学生キャストたち。後編が公開されたこの日でひとまず一区切りということで、彼らには内緒で、成島監督から卒業証書が授与されることになった。最初に成島監督から「最初は全く芝居ができなくて、いつも隅っこで泣いていた子が、今日皆さんが観ていただいたところまで頑張ってくれました。これから大変だと思いますが、この名前を背負って、あせらず、大きく羽ばたいていただければと思います」とエールを送られた藤野の瞳からは感激の涙が。
さらに劇中で、藤野の父親役を務めた佐々木は「お父さんと娘として会うのが今日で最後だと思うとすごく寂しいけど、すごく誇りに思っています。現場では悔し涙ばかりで、泣いていたりもしたけど、やはり涼子がこの組を引っ張ってくれたと思うし、俺たち大人も支えられた。ありがとう。この現場の気持ちを忘れないために(芸名を)藤野涼子にすると言ってくれたおかげでこれからも涼子と呼べる。これからも仕事で涼子と呼べる日が来ることを楽しみにしています」とねぎらうと、母親役の夏川も思わずもらい泣きした。
そして最後に「ありがとうございました」と切り出した成島監督は、「この前、新聞を見たら、安全第一の日本映画界で、高速道路を逆行するような映画だと書いてあり、うれしかった。無名の新人とムチャをやりました。一人ぼっちでは怖かったでしょうが、大勢の仲間がいて、皆が全力を尽くしてゴールまで来ることができました。この子たちの頑張りを気に入ったら応援してください」と会場に呼び掛けると、会場から中学生キャストたちに大きな拍手が送られた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は公開中