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早くもオスカー主演女優候補?リリー・トムリンの話題作とは?

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ポール・ワイツ監督とリリー・トムリン
ポール・ワイツ監督とリリー・トムリン

 トライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival 2015)で上映された話題作『グランマ(原題) / Grandma』について、女優リリー・トムリンポール・ワイツ監督が語った。

【写真】リリー・トムリン出演『今宵、フィッツジェラルド劇場で』ギャラリー

 本作は、レズビアンの詩人エル・リード(リリー・トムリン)が、疎遠だった10代の孫娘セイジ(ジュリア・ガーナー)から中絶資金を提供してほしいと求められたが、自身もお金が足りず、昔の友人に助けを求めて旅に出るというもの。映画『アバウト・ア・ボーイ』のポール・ワイツがメガホンを取った。

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 製作のきっかけは「実はリリーとは映画『アドミッション ‐親たちの入学試験‐』でタッグを組み、製作中に彼女の話がとても楽しかったため、そんな彼女に影響されてこの脚本を書いた。今作ではリリー演じるエルが、ジュリア演じるセイジを連れて回る過程で、セイジが一人の女性としていかに自立していくかを教えていくことになる」とポールが答えた。まさにリリーが適役であるのもうなずける。

 今作のような作品が近年のハリウッドで少ないことについて「スタジオは、このような作品には、映画市場がないと思っている。もちろん、同様の作品ができれば、映画界も活性化するはず。そうしなければ、観客も次第にいら立ちを感じてくるわ」とリリーが語った。彼女はサンダンス映画祭やトライベッカ映画祭を今年初めて訪れたそうだが、「なぜ、わたしがこれまでこれらの映画祭に参加しなかったかというと、これらの映画祭は前衛的な芸術作品を扱うべきなのに、わたしの脳裏を刺激するようなフェミニスト作品が選考されていなかったからなの」と怒りを示したが、今年の両映画祭に参加したのは、出品された作品の男女の監督の比率の差がほとんどなくなったからだそうだ。

 かつてスタンダップ・コメディエンヌとして活躍した彼女が憧れていた人とは、「エド・サリヴァン・ショー」に出演していたジーン・キャロルだそうだ。「彼女の夫に関するジョークを鑑賞し、その後、裏庭で彼女のまねをしていたのを覚えている。彼女を観ていたのは1940年代後半~1950年代前半で、当時10代だったわたしは、ジョークに隠された(女性の主張)部分が、当時はまだ見えていなかった」と語ったが、今作には、コメディエンヌとしての才能も見せる彼女の辛辣(しんらつ)なジョークがちりばめられている。

 映画は、自分の生き方を曲げてこなかった老婦人と親に従ってばかりいた孫娘のやりとりが滑稽で、終始笑わせてくれる作品。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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